更新日:2023/07/10
「お客様の質問や疑問にスピーディーに対応して、お客様満足度を向上させたい」「電話やメールによる問い合わせの数を減らしたい」という企業担当者が後を絶ちません。お客様からの問い合わせ対応を中心に、お客様満足度を向上させることができるよう、この記事では「有人チャット」についてわかりやすく解説していきます。
企業が経営状況を改善したいと考える際、考えるべき重要項目のひとつがお客様満足度だと思います。そして、お客様満足度を向上させるためには、お客様からの問い合わせ対応を高品質にしていかなければいけません。どんなに素晴らしい商品やサービスを提供していても、お客様からの問い合わせに対して長時間待たせてしまい、お客様満足度が下がってしまっているケースも少なくないかもしれません。しかし、お客様からの問い合わせ対応を高品質にしようとすると、オペレーターの負担が大きくなってしまったり、人員不足やコスト高といった問題が発生したり、乗り越えるべき課題も多いものです。このような背景の中、きめ細やかにオペレーターがお客様とチャットでやり取りできる「有人チャット」という方法に、今注目が集まっています。
冒頭にも記載しましたが、お客様からの問い合わせ対応方法として「有人チャット」が注目を集めています。
「有人チャット」とは、オペレーターとお客様がチャットでやり取りできる方法です。
最近、様々なホームページで目にすることが多くなったチャットボットは、自動で問い合わせ対応をする無人型のチャットで、決められた回答や学習した内容に返答することができます。しかし、それ以外の回答は返すことができないので、お客様が本当に知りたい情報を与えることができなかったり、間違った回答を表示させてしまったりする可能性もあります。
「有人チャット」はオペレーターが対応するため、専門性の高い質問や緊急性のある問い合わせなど、チャットボットでは対応しきれない問い合わせにも対応できます。それ以上に、生身の人間だからこそ、お客様からの相談を親身に聞いたり、クレームに対しても真摯に向き合ったりできるようになるので、お客様満足度の向上も期待できます。
ここからは「有人チャット」と、お客様からの問い合わせ対応の方法である電話・メール・チャットボットとの違いを解説していきます。
まずは、「有人チャット」と電話との違いについて、です。
電話は、お客様からの問い合わせ対応として、これまで主流の方法でしたし、現在でも広く使われている方法です。オペレーターと直接リアルタイムに話すことができるため、お客様は自分が本当に聞きたい内容を、すぐに、詳細に、伝えたり回答を聞いたりすることができます。文章でのやり取りではニュアンスが間違って伝わってしまうこともありますが、電話であればニュアンスも含めて内容を伝えやすいと思います。しかし、電話が混雑している時間帯はなかなかオペレーターに繋がらなくてストレスを感じてしまったり、フリーダイヤルを導入していない場合は電話料がかかってしまったり、デメリットもあります。企業側にとっても、オペレーターの人件費がかかるデメリットがあります。
「有人チャット」であれば、オペレーター1人が数人のお客様に対応できるので、オペレーターに繋がりにくいといった問題も改善でき、電話と比べてコストも抑えられます。
次に、「有人チャット」とメールとの違いについて、です。
メールも、電話と同様、お客様からの問い合わせ対応でよく使われている方法です。問い合わせ内容や回答を後で振り返るのに適しており、画像やファイルなどを添付できるため文章だけでは伝わりにくい視覚的な情報も届けることができるなど、メールのメリットはたくさんあります。一方で、リアルタイムにレスポンスができない点は、メールのデメリットと言えます。問い合わせ内容によっては返信までに数日かかってしまう場合もあり、メールがちゃんと届いたかどうか不安になることはお客様にとって精神的な負担となり得ます。
「有人チャット」であればすぐにレスポンスできるので、お客様はすぐに回答を得ることができます。
最後に、「有人チャット」とチャットボットとの違いについて、です。
チャットボットは、お客様が選択肢から選ぶことで適切な回答を提示するチャットのプログラムです。あらかじめ設計したシナリオの流れの通りに選択肢や回答を提示したり、チャットボットに搭載されたAIが学習した内容から適切な回答を提示したりできます。チャットボットのメリットとしては、無人で対応するため人件費がかからないことや24時間365日稼働できることなどが挙げられます。しかし、正確な回答を提供することを求めすぎると、緻密なシナリオの設計や膨大なデータのAI学習を必要とし、現実的には不可能なほど時間と工数がかかってしまいます。また、シナリオに含まれない質問には回答できないため、複雑な質問やクレーム・トラブルには対応できないというデメリットもあります。
「有人チャット」の概要と、電話・メール・チャットボットといった他のお客様からの問い合わせ対応方法との違いについて解説してきました。「有人チャット」がどのようなものなのか、少しずつイメージできるようになってきたのではないでしょうか。ここでは、実際に「有人チャット」を導入する場合のメリットを4点ほど解説します。
「有人チャット」を導入すると、オペレーターがお客様からの問い合わせに対応するため、無人型のチャットボットと比べて、きめ細やかな対応が可能になります。一問一答のような簡易的な質疑応答ではなく、相手の話をよく聞く姿勢や相手に寄り添った話し方などができることは、「有人チャット」ならではのメリットと言えます。お客様からの問い合わせ対応に力を入れたい場合には、「有人チャット」の導入は有効的な手段のひとつです。
「有人チャット」を導入すると、クレームやトラブルなど緊急性の高い対応や、シナリオでは用意しようがない相談内容にも対応できるようになります。オペレーターが対応するからこそ、真摯な対応が求められる場面や、即座な判断が必要な場面でも柔軟に対応することができ、お客様満足度の向上につながります。
こちらは、有人型に限ったことではありませんが、チャットシステムを導入することにより、システム上にお客様情報や問い合わせ履歴などのデータを蓄積できるようになります。データを蓄積できることで、お客様がどのようなことに困っていたのか、お客様が納得してくれた対応はどのようなものなのかを分析することができるようになります。また、お客様からの要望や疑問点を、新商品開発や商品改良などにも活用できます。
こちらも、有人型に限ったことではありませんが、チャットシステムを導入することにより、お客様は気軽に問い合わせできるようになります。最近は、「電話が苦手」という方や、丁寧にメールを打っている時間がないというお忙しい方もたくさんいらっしゃると思います。このような理由から、電話やメールでの問い合わせを躊躇しているお客様が一定数いらっしゃるようです。「有人チャット」を導入すると、今まで問い合わせを躊躇していたお客様も気軽に問い合わせできるようになります。スマートフォンからでも手軽に利用でき、お客様は疑問に感じたことをすぐに質問して回答をもらえるので、結果としてお客様満足度の向上につながります。
このように「有人チャット」を導入する場合のメリットはたくさんある反面、「有人チャット」を導入する際に注意すべきこともあります。「有人チャット」を導入する場合のデメリットについて3点ほど解説します。
「有人チャット」は、オペレーターがお客様からの問い合わせに対応するため、大きな負担がかかります。オペレーター1人が複数名のお客様に対応できることは、「有人チャット」を導入する場合のメリットでありますが、複数名のお客様に対応しているとオペレーターが混乱してしまうこともあります。また、悪質なクレームや大きなトラブルに対応しなければいけない場合もあり、精神的な負担も少なくないのが実情です。
「有人チャット」を導入する場合のデメリットとして、コストがかかる点も挙げられます。オペレーターの人件費はもちろん、オペレーターに付随する設備費やオフィス賃料、良いサービスを提供するためのオペレーター人材教育コスト、そしてチャットシステムの利用料など、大きなコストがかかります。
「有人チャット」を導入すると、オペレーター1人が複数のお客様に対応できるケースが多いため、電話よりもお客様を待たせることは少ない傾向にありますが、時間帯や曜日によってはお客様を待たせてしまうこともあります。また、「有人チャット」の場合は365日・24時間体制での対応は難しいことが多いため、休日や夜間は回答まで時間を要してしまうこともあります。
ここまで、「有人チャット」を導入する場合にはメリットだけでなく、デメリットもいくつかあることを解説してきました。「有人チャット」を導入する際には、これらのデメリットを解決し、お客様からの問い合わせに安定して対応できる方法を取り入れなくてはいけません。その方法が、「有人チャット」とチャットボット(無人対応)の併用です。よくある質問や定型化された質問などにはチャットボットが対応し、難易度が高い質問や緊急の問い合わせなどには「有人チャット」に切り替えるという方法です。簡単な質問にはチャットボットが回答してくれるのでオペレーターの負荷は軽減され、その分、優先順位の高い案件にオペレーターが注力できるため、お客様満足度の向上につながります。チャットボットと「有人チャット」をスムーズに切り替える便利な機能を搭載しているチャットツールもあるので、導入するチャットツールを具体的に選定する際の参考にしてみてください。
チャットツールの便利な機能と言えば、一定の条件を満たしたお客様に対して、自動で「何かお困りのことはございませんか?」といったポップアップをWebサイト上に表示したり、InstagramのDMを送信したりできる機能もあります。お客様が何か疑問や不安・問題を抱えていればポップアップやDMにメッセージを送信し、「有人チャット」へと連携できる仕組みです。アクションを企業(オペレーター)側から起こすことにより、離脱していたかもしれないお客様を取り込むことができ、結果としてお客様満足度の向上につながります。
どのようなチャットツールを使えばいいのかわからない方は、まずはsikiapiの導入を検討してみませんか?
当社が提供するsikiapiには定型対応のbot機能だけでも質問対応、シナリオ配信、クーポン配信、フォーム機能など多くの機能が揃っている上、顧客の属性ごとに管理ができるなど、有用な機能が揃っています。
サービス概要や質問対応は以下のリンクよりアクセスすることができます。
sikiapi(シキアピ)|対話型マーケティングツール
この記事では、「有人チャット」の概要、「有人チャット」を導入する場合のメリットやデメリットを解説した上で、「有人チャット」を導入する場合のデメリットを解決する方法についても提案させていただきました。「有人チャット」は、オペレーターがお客様とチャットでやり取りできる方法で、お客様からの問い合わせ対応を中心に、お客様満足度を向上させることができるツールです。どんなツールにもメリット・デメリットがあり、「有人チャット」も同様です。「有人チャット」とチャットボット(無人対応)を併用したり、一定の条件を満たしたお客様に対して自動でメッセージをWebサイト上にポップアップしたりInstagramのDMを送信したりすることで、デメリットを解決でき、メリットをさらに活かすことが可能になります。この記事をきっかけに、「有人チャット」に対しての理解を深めていただけましたら幸いです。
株式会社リクルートホールディングスでWEBマーケティング業務および事業開発を経験し、アメリカの決済会社であるPayPalにて新規事業領域のStrategic Growth Managerを担当の後、株式会社Enigolを創業。対話型マーケティングによる顧客育成から売上げアップを実現するsikiapiを開発。