更新日:2023/07/10
インターネット上で市場が大きく展開している現在、接客のために自動返信を実行できるチャットボットが注目を集めています。チャットボットを導入したい企業担当者の方々に利用イメージを把握してもらえるよう、この記事ではチャットボットの利用例9つと実例3つをご紹介いたします。
チャットボットとは、SNSやホームページなどのチャットや電話などで、自動的にコミュニケーションを行ってくれるコンピューターのプログラムです。
主に、AIによる機械学習によって精度が向上していく「AI型チャットボット」と、状況に応じて応答内容を設定する「シナリオ型チャットボット」の2種類が存在しています。
AI型チャットボットは、機械学習が必要でコストも高いですが、うまく運用すれば企業に大きく貢献します。
シナリオ型チャットボットは、応答内容の設定が必要で精度は一定ですが、コストが低く単純業務などに適しています。
企業がチャットボットを導入することによって、24時間対応の問い合わせシステムや業務効率の向上、効果的な顧客情報の収集・分析などのメリットが得られます。
そのため、現在では大企業から中小企業まで多種多様な業界で、チャットボットを導入していることが多いです。
チャットボットは、さまざまな場面で利用することができるので、企業がチャットボットを利用することによって、とても多くのメリットを得ることができます。また、有人で行うよりも高いパフォーマンスを発揮できるので、これからもチャットボットのニーズは高まっていくことが予想されます。
ここでは、チャットボットの利用例を、主に9つ紹介します。
24時間対応の問い合わせフォームでは、チャットボットを利用している企業が多いです。ホームページやWebサイトの問い合わせフォームでは、既存顧客から見込み顧客、新規顧客などさまざまな方から連絡が送られてきます。
また、企業の営業時間外であっても、顧客の生活習慣や突然のトラブルなどによって問い合わせが送られてくることも少なくありません。
有人対応では、以上のような場合に完全に対応しきれなかったり、返答が遅れてしまうなどの事態が発生してしまう可能性が高いです。しかし、チャットボットであれば、24時間体制で多くの問い合わせにスムーズに対応でき、顧客情報の収集も行ってくれます。そのため、24時間対応の問い合わせフォームでは、チャットボットを導入している企業がとても多いです。
社内ヘルプデスクでは、毎日数多くの顧客から提供している商品やサービスに関する問い合わせがあり、社員からシステムの利用方法などの問い合わせがある場合もあります。
さらに、数多くの問い合わせに対してしっかりと適切な返答を行う必要があるので、ヘルプデスクでは自社の知識や業務量がとても多いです。そのため、有人対応のみで行っていると、問い合わせフォームのように対応が遅れてしまうことがあります。
また、ヘルプデスクは顧客や社員をサポートするためにも欠かせない組織の1つなので、チャットボットによる業務効率の改善対策として利用されることが多いです。同じ問い合わせが何度もあった場合や1度に大量の問い合わせがあった場合でも、チャットボットであれば、スムーズに対応することが可能になります。
イベントやシステム、ソフトウェアなどの顧客対応窓口には、「よくある質問」として、顧客がスムーズに疑問が解決できるような仕組みがある場合が多いです。
数人程度の顧客からの質問であれば、有人でも十分に対応することはできますが、数千人単位で質問がある場合は、有人では対応しきれず組織全体に大きな負担がかかります。そのため、同じ質問や似ている質問は全て統一にまとめたり、それぞれの質問に対するテンプレートを決めて対応するなどの対策でチャットボットが利用されます。
チャットボットに完全に任せていれば、人材を最小限に抑えられるので、組織全体の負担が減少します。
顧客エンゲージメントを高める目的として、チャットボットを利用している企業も多いです。顧客エンゲージメントが高い企業は顧客との信頼関係がしっかりとできているので、提供している商品やサービスの購入・申し込みやリピートしてくれる可能性が高いです。
チャットボットは、顧客情報の収集・分析や適切な顧客対応、業務効率の向上を行ってくれるので、顧客エンゲージメントを高めることに大きく貢献します。問い合わせや購入情報などをもとに顧客のニーズや悩みを理解できれば、顧客は企業をさらに高く評価してくれます。
チャットボットは、自動音声再生を行ってくれるので、音声アシスタントとしても利用している企業が多いです。
実際に、銀行やクレジットカード会社などは、口座開設や手続きの説明を音声ガイダンスで行うことが多いです。音声によるサポートは、テキストや有人対応よりも手間や負担を削減することができ、企業にとっても顧客にとっても大きなメリットがあります。
また、複雑な説明を必要としないシステムやアプリケーションの説明方法などの場合、1度チャットボットに再生する音声を設定すれば、それ以降自動で行ってくれるので、大幅に人件費を削減できます。そのため、今後も音声アシスタントによる顧客対応を導入する企業は、増加し続けていくことが予想できます。
顧客が自社の提供している商品やサービスを購入・申し込みした後に、自社についてどのような評価を行っているのか、どれだけ満足しているのかを収集して理解することはとても大切です。
顧客満足度が高くなれば、今後も自社の商品やサービスを利用してもらえる可能性は高くなり、口コミや評判によって拡散されていくこともあります。しかし、有人作業では、自社を利用した顧客からのフィードバックを全て収集することは難しく、十分にデータ化できないこともあります。
しっかりと顧客からのフィードバックを収集するためには、チャットボットを利用して自動で顧客満足度の調査を行うなどが必要です。購入後にメールなどで評価や調査アンケートなどに回答してもらえば、顧客からのフィードバックを効率的に収集できます。
チャットボットは、新規顧客や見込み顧客に自社の商品やサービスの知識を育成させるために利用されることもあります。
自社が提供している商品やサービスの質が高く、市場のニーズに答えられていても、顧客が使い方が分からなかったり知識が不足していると、それを理由に離れてしまうことがあります。
また、アプリやWebシステムなどは、「使い方が分からない」「使いにくい」などの理由で簡単に削除されてしまうので、顧客に向けて知識の育成を行うことはとても大切です。
しかし、購入を検討している顧客やサービスを使い始めた顧客全てに育成を行うことは、とても手間のかかる作業なので、有人で行うことは難しいです。そのため、チャットボットによる使い方のサポートや自社の理解度を高めるためのメルマガなどを利用して顧客の育成を行っている企業が多いです。
チャットボットを利用して、顧客の注文や返品などに必要なプロセスを短縮して手間を省くことができます。商品の注文は頻繁に行われることが多いので、有人対応ではなくチャットボットを使った仕組みをすることが大切です。
また、顧客の注文情報から過去注文や関心のある商品を追跡して、事前におすすめの商品を提案することもできます。顧客が購入した商品を返品したり、サービスの退会を行う場合でも、チャットボットを利用してスムーズに対応することができれば、今後顧客が企業に対して高い評価をする可能性もあります。
チャットボットは、WebサイトやSNSと連携して利用することができるので、集客を行う場合も効果的に活用できます。
特に、SNSでは多くのフォロワーやその他のユーザーからDMやメッセージなどのアクションが送られてくることがあります。さらに、投稿した画像や動画を見て、具体的な情報を知りたいユーザーも現れることも少なくありません。それら全ての対応を有人で行うことはとても難しいですが、チャットボットを利用して定型文などを用意していれば、しっかりと対応できます。
また、SNSからは新規顧客や見込み顧客の獲得がしやすいので、チャットボットをSNSに連携させることはとても効果的です。
これまでチャットボットが企業でどのように利用されているのか主に9つ紹介しましたが、実際にどのような企業がチャットボットを利用しているのでしょうか。
続いては、チャットボットを利用している企業3選を紹介します。
キリンホールディングス株式会社は、キリンビールなどの販売を行っていることで有名な企業です。
毎年多くの顧客から大量の問い合わせを受けることが多いことから、公式ホームページの問い合わせフォームに送られてくる質問や疑問にAIを活用したチャットボットを利用しています。
キリンホールディングス株式会社が利用しているチャットボット「sAI Chat(サイチャット)」は、話し言葉を使った回答が行えるので、顧客が親しみやすく気軽に問い合わせを行えます。
また、チャットボットを利用することによって、同じ質問を「よくある質問」という項目でまとめることができたので、問い合わせの解決率が向上しました。そのため、チャットボットによる問い合わせ対応によって、大きな成果を獲得しています。
参照:キリンホールディングス株式会社 公式サイト
ヤマト運送株式会社は、大手運送会社の1つで全国で多くの方が利用している企業です。
全国各地に数多くの営業所が設置されており、ネット通販やネット販売などのニーズが高くなっていることから、年々利用する方は増加し続けています。
そんなヤマト運送株式会社は、2016年から公式LINEにチャットボットを連携させて、利用者に通知メッセージをするサービスを開始しました。
公式LINEからは、再配達依頼や集荷依頼、荷物の問い合わせなどを気軽に行えるようになったので、顧客満足度の向上や業務短縮によるコスト削減など多くの効果を得ています。2020年1月時点では、公式LINEに約3,200万人以上のユーザーが友達追加をしています。
参照:ヤマト運送株式会社 公式サイト
株式会社ドミノ・ピザ ジャパンは、ヤマト運送株式会社と同様に、チャットボットを公式LINEと連携させてトーク画面から簡単にピザを注文できるサービス「ドミノ簡単注文」を行っています。
チャットボットの導入は、2015年9月に行っておりピザデリバリーを行う企業では、株式会社ドミノ・ピザ ジャパンが初めての取り組みでした。これまでピザのデリバリーは電話で行うことが多かったですが、公式LINEを通して気軽に注文できるようになったので、利用者数も増加傾向にあります。
実際に、公式LINEからの注文による売上は、これまでに2億円を超えており、チャットボットの利用で大きく売上を向上させた企業の1つです。現在(2022年11月29日時点)では、「ドミノ簡単注文」のサービスは終了しており、「LINEデリマ」による注文になっています。
参照:株式会社ドミノ・ピザ ジャパン 公式サイト
チャットボットはリアルタイムで顧客の質問に対応することができ、数多くの利用方法があります。
実際に、今回紹介したチャットボットを利用している企業は、全て大きな利益やメリットを得ており、これからも業界内で導入する企業は増えていくことが予想されます。
さらに、チャットボットはAI型とシナリオ型の2種類があり、状況に応じて臨機応変に活用することが可能です。そのため、飲食業界やIT業界、運送業界など多種多様な業界で利用することができるので、これからチャットボットの導入を検討している方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみることをおすすめします。
また、株式会社Enigolが提供しているチャットボット「sikiapi」は、インスタグラムに特化したマーケティング・MAツールです。
インスタグラムを活用してマーケティングや集客を考えている方は、ぜひ1度公式サイトをご覧ください。
sikiapi 公式サイト
株式会社リクルートホールディングスでWEBマーケティング業務および事業開発を経験し、アメリカの決済会社であるPayPalにて新規事業領域のStrategic Growth Managerを担当の後、株式会社Enigolを創業。対話型マーケティングによる顧客育成から売上げアップを実現するsikiapiを開発。