更新日:2023/04/11
今、企業がLINEを自社アピールや売り上げ向上のために利用することも増えてきています。企業はなぜLINEを、どのようなメリットや目的があって利用しているのでしょうか。 CRMとしてLINEを利用することでできることや、LINEならではのメリット、そのコツを今回の記事では紹介していきます。
CRMとは、「Customer Relationship Management」の略称で、顧客関係管理のことを指します。近年になって、多くの企業で導入が進んでいます。
簡単に説明すると、【顧客との関係を管理すること】であり、顧客ひとりひとりに適切で丁寧な対応やサポートをすることで、顧客からの信用を得て、長期的に商品やサービスを利用してもらうことが可能になるのです。
LINEを用いたCRMとは、LINEの公式アカウントと専用の顧客管理システムを連携させて、LINEで直接予約や注文、タグ付けなどの顧客情報を管理する方法のことを指します。
顧客関係管理(CRM)の目的は、顧客情報を収集・分析して、顧客に最適なアプローチを行うことで、自社の商品やサービスの競争力を高めることです。
これまでは、店舗での手書きの情報やサイトに入力した情報を顧客管理システムに反映する方法が一般的でした。CRMを用いることで顧客の好み、買うものの傾向やどんなものを欲しがるタイミングか、簡単に社員間で共有し、顧客満足度の向上につながるのです。
敵を知り、己を知るという言葉があります。
相手(顧客)についてしっかり知り、分析し対策をすれば、マーケティングという戦いで勝つことができるのです。CRMは、把握しきれない顧客の個人情報を管理し、分析までしてくれるため、サービス業には欠かせない存在でしょう。
LINEをCRMに活用する理由には、以下のことが考えられます。
LINEの国内月間アクティブユーザー数は9200万人にのぼり、幅広い世代に利用されている現状があります。
生活のインフラとして定着しつつあるLINEは若者から高齢者までの幅広い顧客に近づいたサービスを提供できる可能性を秘めています。
また、顧客が使い慣れているということも理由のひとつです。
LINEは幅広い世代で日常的に使われています。そのため、企業からのメッセージの開封率や返信率、LINEのメッセージをとおした購買欲もあおりやすくなっています。
業務の効率化という点でもLINEは秀でています。
LINE連携CRMツールでは、チャットボットを利用できるため、業務の効率化をはかることができます。
よくある質問に対してはAIチャットボットが自動で返信してくれるため、スタッフの労力の削減や、顧客からの【返事をはやく知りたい】というニーズにこたえることができるのです。
LINEを公式アカウントに利用するためには、2通りの方法があります。
以上を順番に説明していきます。
標準機能は、LINE公式アカウントに登録をしてあれば追加費用は一切かかりません。
友達機能で一括管理が可能なので、飲食店などのスタッフ間の情報共有としての活用などに向いています。
標準機能での管理がおすすめなのは以下の場合です。
いっぽう、CRMツールを追加してLINE上にて顧客管理をする方法というものもあります。
外部のシステムと連携することでLINE上にて顧客管理が可能になります。
LINE公式アカウントの標準機能と比較するとより多くの機能が利用できるようになり、友達登録が多すぎて顧客情報が管理しきれない場合や、顧客ひとりひとりに合わせたマーケティングを行いたいと考えているときにおすすめの方法です。
CRMツールを活用しての管理がおすすめなのは以下の場合です。
LINE公式アカウントのサービス内容をまとめると以下のものになります。
LINE公式アカウントからECサイトに気軽にログインし、商品を購入できるので、消費者が手間を感じることなく商品購入をすることが可能になり、売り上げアップにつながります。
個別にメッセージを送ることもできるため、スムーズに顧客とやりとりができます。
また、開封率がメールよりも高いため、確実に顧客にメッセージを読んでもらうことができます。
会員証の確認やポイントの確認をLINEの画面から簡単に行えるので、お得に商品を購入できるというメリットを顧客が感じ、商品の購入やリピートにつながります。
LINEのトーク画面からカスタマーサービスへの問い合わせが行えるため、顧客が安心してサービスを利用することができます。
また、同じような質問に対しては定型文を自動で返信するチャットボット機能もついているので、スタッフの労力削減になります。
数の多い質問を分析し、まとめることで顧客の知りたいことや疑問に思うことをまとめることもできます。
サービスの予約や申請もボタンひとつで行えるため、手軽な気持ちでサービスを利用してもらうことができます。
仕訳けたセグメント(顧客の属性)ごとに個別にメッセージを送れるため、それぞれの顧客に合わせた情報を送れます。
LINE公式アカウントには、再来店をしてもらうための次につながる機能が用意されており、それがクーポンやショップカードです。
簡単に作成でき、顧客が再来店するための動機付けになります。
LINEアカウントには分析機能もついており、メッセージの開封の有無、リンクがクリックされたか、クーポンやショップカードが使われたかがわかるようになっています。
そのため、どのような取り組みが顧客に人気だったか、リピートにつながったかがわかるようになっています。
LINEアカウントのメリットは多岐に渡るため、多くの企業がLINE友達アカウントとしてLINEを利用しているのでしょう。
LINEはただのコミュニケーションツールとしてだけではなく、今では企業のパートナーとしての一面も持っているのです。
LINEのメッセージは従来のメール機能と比べ、開封されやすいといわれています。
特に若い世代ユーザーが一般消費者のばあいには、現在ではメールはほとんど開封されることなく削除されてしまうことがあります。
その点LINEでは60%ほどの確立で開封してもらえるので、顧客にメッセージを読んでもらえ、購入につながる可能性が高まるのです。
LINE公式アカウントは配信ツールとしての機能はもちろんのこと、顧客情報を取得、蓄積することができます。
チャットを利用するユーザーに対してタグやメモを残すことでLINE公式アカウント上で顧客の管理を行うことができます。
LINE公式アカウントではチャットボットを作成でき、業務の効率化にも役立ちます。
チャットボットでは、よくある質問に自動で回答してくれるため、このような自動化の仕組みを取り入れることでスタッフが対応するコストをかけずに対応することが可能になります。
チャットボットにより、スタッフの労力も節約できるのです。
顧客サイドでも、疑問を早期に解決できることから、ストレスを感じることなくサービスを利用できます。
LINE公式アカウントとは他に自社で顧客情報を管理している時には、その情報とLINEユーザーIDを連携させることで、顧客情報とLINEの友達情報の紐づけをすることが可能になります。
ID連携をすることで、顧客情報を解読したセグメント配信が利用できます。
たとえば、特定の商品の購入者にだけクーポンを配信する、リピーターの方にだけ、特別なセールの案内を送る、誕生日の方にお誕生日クーポンを配信するといったサービスを行うことが可能になります。
LINE公式アカウントを利用することで、業務の効率化をするための【自動化のしくみ】をつくることができます。
自動化の例としては、チャットボットの利用、ステップ配信の利用、予約システムの管理などがあります。
これらを上手に活用することで、業務の効率をアップするだけでなく、顧客にはスピーディな対応をしてもらっているという満足感を与えることができます。
LINE公式アカウントではチャットが可能な友達にタグやメモをつけて友達情報の管理をすることができますが、その一方で、チャットしていない友達の顧客管理ができない、チャットで使用できるタグの数に限りがある、という欠点もあります。
LINE公式アカウントだけではあらかじめ用意されているセグメントで送信先を絞り込んだ配信ができますが、IDを連携して顧客情報と結びつける形でのセグメント配信を行うことはできません。
さらに、絞り込み配信となると、メッセージの送信数が100件以上必要になってくるといった制限も発生してしまいます。
LINE連携CRMツールを選ぶコツをご紹介します。
せっかくLINE連携CRMツールを導入したところで、社内で活用されなければ意味がありません。
宝の持ち腐れですね。
管理画面の使いやすさや操作性を確認して、たとえ初心者でも問題なく利用できるかを確認しておきましょう。
ふだんの操作性だけではなく、いざというときのサポート体制が充実しているかどうかも視野に入れて検討しましょう。
LINE連携CRMツールに、必要としている機能が備わっているかを確認してみましょう。
そのためには自分のニーズをはっきりさせておく必要があります。
チャットボットを導入して業務削減、スピーディなコミュニケーションを目指すのか、効果測定やデータ分析をメインで行い戦略的に商品を売りたいのか、顧客情報の管理をスマートに行いたいのかなど、重視する機能を明確にし、目的に適している機能が十分にそろっているかを事前に確認することも大切なチェックポイントです。
LINE連携CRMツールの費用は無料で利用できるものから、高額の初期費用がかかるものまでさまざまです。
まずは無料トライアルやフリープランなどを活用し、自社に合ったツールをみつけることも大事です。
以上、LINEをCRMに活用する方法でした。
活用する方法といっても、さまざまな選択肢があり、使い方もさまざまです。同じLINEのCRMといっても、どう使うかはその企業次第です。LINEの便利さやスマートさを生かすも殺すも企業の管理次第なのです。
自社の魅力を最大限に活かすLINE公式アカウントの使い方をして、LINEの機能の恩恵を存分に受けてみましょう。
株式会社リクルートホールディングスでWEBマーケティング業務および事業開発を経験し、アメリカの決済会社であるPayPalにて新規事業領域のStrategic Growth Managerを担当の後、株式会社Enigolを創業。対話型マーケティングによる顧客育成から売上げアップを実現するsikiapiを開発。