CPaaSとは?CPaaSの機能やメリット・デメリットを解説

CPaaSとは?CPaaSの機能やメリット・デメリットを解説

更新日:2024/09/11

CPaaS(Communication Platform as a Service)は、クラウドベースのコミュニケーションプラットフォームを提供するサービスです。企業はAPIを通じて、音声通話、ビデオ通話、メッセージングなどのリアルタイムコミュニケーション機能を自社のアプリやサービスに組み込むことができます。これにより、専用のインフラを持たずに柔軟でスケーラブルなコミュニケーション機能を提供でき、コスト削減や開発期間の短縮が可能です。CPaaSは、顧客との迅速で効果的なやり取りを実現するツールとして注目されています。

現在、多くの企業では、顧客の多様化するコミュニケーション手段への対応やDX化に伴う新たなシステムの導入などを進めています。しかし、IT知識があまりない企業やシステム導入に必要なリソースが不足している企業では、十分に対応することが難しい状況です。

CPaaSでは、既存のシステムにAPIを利用して連携することで機能を拡張できるので、気軽に必要な機能を導入できます。
本記事では、CPaaSの機能や導入するメリット・デメリットを解説します。

CPaaSとは?

CPaaSとは、「Communications Platform as a Service」という言葉の略称で、主にSMS・音声通話・映像などのシステムをAPIを利用して使えるサービスのことです。
複数のチャネルを持っているので、自社で必要なチャネルを追加したり不要なチャネルを外したりできます。
自社で1からシステムを開発することなく必要に応じて柔軟にカスタマイズできるので、業務効率化やDX化の推進にとても効果的です。
さらに、専門的な知識を持っているエンジニアを確保・育成しなくても、基本的なIT知識を持っている人材であれば、CPaaSは扱うことが可能です。
そのため、現在日本国内では、さまざまな企業で需要が増加し続けています。

APIとは?

APIとは、「Application Programming Interface」という言葉の略称で、ソフトウェアやWebサービスなどを繋ぐインターフェースのことです。
インターフェースとは、「境界面」「接点」などの意味を持った言葉で、機械と機械を接続するUSBなどはハードウェアインターフェースとも呼ばれます。
そして、APIはソフトウェアとソフトウェアの接点としての役割を持っています。
CPaaSでは、そんなAPIがCPaaSと既存のシステムやソフトウェアとの接点になることで、機能を拡張して新たな機能を実装することが可能です。
APIを利用することで、これまでに実装できていなかった機能を追加できたりデータ処理ができるようになるので、IT化を進める上でとても活用されてます。

CPaaSの機能

CPaaSは、APIを利用してSMSや音声通話、映像などさまざまな機能を利用できるサービスです。
そんなCPaaSには、主に以下の機能が搭載されています。

  • SMS・MMS
  • 音声通話
  • ビデオ通話
  • ビデオ会議
  • 自動音声
  • 音声認識
  • チャットボット

以上のようなさまざまなチャネルに対応した機能を利用できるので、リモートワークによって自宅から業務を行う場合や顧客対応する場合でもスムーズに活用できます。
さらに、離れた場所にいる場合でもスムーズな情報共有やコミュニケーションが取れるので、業務効率化やコスト削減も可能です。

CPaaSでできること

CPaaSには、さまざまな機能が搭載されており、複数のチャネルを持っているので、自社に合わせて好きなチャネルを追加したり外したりできます。
そのため、CPaaSを活用することで、さまざまなサービスを実現することが可能です。
ここでは、CPaaSでできることを解説します。

コールセンターシステムの構築

CPaaSを導入することで、コールセンターシステムの構築が可能です。
近年では、在宅による顧客対応やSMSやビデオチャットなどの電話以外での顧客対応など多様化しています。
CPaaSは、複数のチャネルを持っているので、さまざまな対応方法を全て1つのシステムで管理することが可能です。
そのため、短期間で低コストで多様なコールセンターシステムを構築できます。
コールセンターシステムを新たに構築し、利便性や顧客対応効率を向上させることで、企業全体の業務効率化や問い合わせ件数の削減にも繋がります。

システム障害の検知

CPaaSは、システム障害の検知もできます。
複数のチャネルで安定した通信を実現するためには、システム障害をスピーディに検知し対応することが大切です。
さらに、特定のチャネルの通信障害が発生した場合でも、他のチャネルからシステム障害の検知・通知を行い、スムーズに対処できます。
そのため、業務に支障を出すことなく安定してパフォーマンスでシステムを運用し続けることが可能です。

予約リマインド

CPaaSは、予約システムと連携させることで、予約リマインドができるようになります。
主に、飲食店や美容院、病院などの予約を行った顧客に対して、予約内容の確認メールを送信し、予約前日にはSMSやメールでリマインドをすることが可能です。
さらに、顧客に合わせてさまざまなチャネルで予約リマインドが行えるので、顧客が予約を忘れてしまう可能性を最小限に抑えることができます。
そのため、当日の無断キャンセルや遅刻の削減にもなります。

利用者の呼び出し

店舗で順番待ちをしている顧客の電話番号やメールアドレスなどの情報を登録してもらうことで、利用者の呼び出しを行うこともできます。
従来の方法では、顧客の順番になった際に店頭のスタッフが顧客に渡した番号札の番号をアナウンスして呼び出します。
しかし、CPaaSでは顧客が登録した電話番号やメールアドレス宛に呼び出し通知を自動で送信するので、店頭のスタッフが呼び出す手間がなくなります。
さらに、顧客が店外にでている状態でもスマホに通知が来るので、すぐに確認して店頭に戻ってこれます。

二要素認証の実装

既存の認証システムとCPaaSを連携することで、二要素認証の実装が可能です。
二要素認証とは、ユーザーが設定したIDやアドレス、パスワードに加えて、スマートフォンのSMSやメールに送信されたワンタイムパスワードの入力が必要な認証方法のことです。
万が一、IDやメールアドレス、パスワードが漏洩してしまった場合でも、二要素目の認証を行わなければ、不正アクセスを防止できます。
そのため、セキュリティ対策を徹底して安全にシステムを運用したい場合には、とても効果的な仕組みです。

CPaaSのメリット

さまざまな機能があり、できることの多いCPaaSのメリットが気になる方も多くいます。
これからCPaaSを活用しようと考えている企業は、CPaaSのメリットを理解しておくことをおすすめします。
ここでは、CPaaSのメリットを解説します。

カスタマイズ性が高い

CPaaSのメリット1つ目は、カスタマイズ性が高いことです。
CPaaSは、既存のシステムにAPIを組み込むことで機能を拡張する仕組みになっているので、自社の目的や必要な機能に合わせて柔軟に搭載できます。
例えば、多様なコールセンターシステムを構築したい場合は、既存のコールセンターシステムにCPaaSを組み込むことで実装が可能です。
また、セキュリティシステムを強化したい場合も既存の認証システムと連携することで、強固な二要素認証を実装できます。
そのため、企業に応じて最適な活用方法を見つけられます。

さまざまなチャネルに対応できる

CPaaSは、メールや電話、SMSやチャットなどのさまざまなチャネルに対応できます。
近年では、企業と顧客とのコミュニケーションは電話やメールだけに留まらず、チャットやビデオ通話、SNSなど多様化している状況です。
そのため、さまざまなチャネルに対応しているシステムが求められるようになりました。
CPaaSは、複数のチャネルに対応できるので、多様化する顧客とのコミュニケーション手段を柔軟に取り入れていくことが可能です。

システム構築・保守の工数を削減できる

CPaaSは、システム構築・保守にかかる工数を削減できます。
これまで新たなシステムを構築する場合は、設計や依頼、開発などのプロセスを経て実装に至るので、工数や費用が多く必要でした。
CPaaSは、1度の契約で複数のチャネルへ連携して機能を実装できるので、短期間で低コストでシステム構築・保守ができます。
そのため、リソースを確保した状態で新たなシステムを導入でき、大幅な業務効率化にも繋がります。

DX化の推進になる

CPaaSは、DX化の推進に大きく貢献します。
CPaaSを1つ導入するだけでさまざまなチャネルを一元管理し、管理コストの削減や業務効率化を促進してくれます。
さらに、システム構築・保守の工数を削減できるので、新規のシステム開発にリソースを十分に確保できない企業でも気軽にシステム導入が可能です。
そのため、自社で1からDX化を進めていくよりも、効率的にDX化を進めていくことができます。

CPaaSのデメリット


CPaaSには、さまざまなメリットがあり、多くの企業から高い需要がありますが、デメリットもあります。
これからCPaaSの活用を検討している企業は、デメリットも理解しておくことが大切です。
ここでは、CPaaSのデメリットを解説します。

IT知識が必要になる

CPaaSは、既存のシステムにAPIを組み込むことで機能を拡張できる仕組みなので、従来のシステム開発と比較すると、必要な知識やスキルが少ないです。
ただ、CPaaSやAPIなどのIT知識がほとんどない方の場合、導入してからシステムと連携させる方法や実装方法などがわからず十分に扱えない可能性があります。
特に、高齢の従業員やIT関連の業務をほとんど行ったことのない従業員であれば、CPaaSやAPIに関する知識がなく扱えない場合があります。
そのため、ある程度のIT知識を持っている人材を確保している状態で、CPaaSを導入することをおすすめします。

セキュリティ問題のリスクがある

CPaaSは、既存の認証システムと連携することで二要素認証を実装してセキュリティ性を向上させることが可能です。
ただ、CPaaSをはじめとしたITシステムには、セキュリティ問題のリスクが発生します。
不正アクセスや情報漏洩などのセキュリティ問題は、十分にセキュリティ対策をしている場合でも、データの取り扱いに注意しなければ発生する可能性があります。
さらに、CPaaSを扱う従業員に十分な知識がない場合は、セキュリティ問題を考慮せずにデータを社外に持ち出すなどのリスクを犯してしまう可能性が高いです。
そのため、CPaaSを導入する場合は、セキュリティ対策やセキュリティへの意識などを徹底させる必要があります。

CPaaSの将来性は?


CPaaSは、多様なコミュニケーションによる顧客対応業務や強固なセキュリティシステムの構築などが気軽にできるサービスとして高い注目を集めています。
1つのサービスで複数のシステムの機能を拡張して業務効率化やコスト削減を実現してくれるので、IT化やDX化を推進している企業には、とても大きく貢献します。
現時点でも高い注目を集めているCPaaSは、将来的にさらに高い注目を集めていくことが予想されています。
特に、リモートワークや飲み会などの減少によって、コミュニケーションの機会が減少している昨今では、コミュニケーションを円滑に進められるCPaaSはとても重宝されるようになるでしょう。

まとめ

CPaaSは、APIを利用して既存システムと連携することで、必要な企業を気軽に導入することができるシステムです。
高度な専門知識を持っていない場合でも自社に実装できることから、日本国内の多くの企業で高い注目を集めています。
さらに、DX化の推進にも大きく貢献できることから、CPaaSを利用したシステム構築を進めている企業も多いです。
ただ、CPaaSをはじめとしたITシステムには、セキュリティ問題などがあるので、これからCPaaSを導入する企業は、十分に注意を払って導入することをおすすめします。

sikiapi(シキアピ)

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項目内容

サービス名

sikiapi

会社名

株式会社Enigol

公式サイト

https://sikiapi.com/

柳沢智紀
この記事の監修者
柳沢智紀
株式会社Enigol

株式会社リクルートホールディングスでWEBマーケティング業務および事業開発を経験し、アメリカの決済会社であるPayPalにて新規事業領域のStrategic Growth Managerを担当の後、株式会社Enigolを創業。対話型マーケティングによる顧客育成から売上げアップを実現するsikiapiを開発。