更新日:2023/05/05
インターネット上のコンテンツを生かしたマーケティングが当たり前となってきた現在、インスタグラムを用いたマーケティングも広がりを見せ始めています。インスタグラムマーケティングとは一体何なのか?企業アカウントはどのように運営するべきなのか?そんな疑問の答えをこの記事では詳しく解説していきます。
インターネットが一般に普及して久しく、誰もがSNSなどを用いて情報の発信・収集をすることが当たり前となった現在では、SNS上でマーケティングを展開する企業もどんどん増えてきています。そのような世の中で注目を集めているのがInstagramマーケティングです。
Instagramマーケティングとは、端的に言えば企業がそれぞれの持つ目的のためにInstagramを戦略的に利用することです。
目的と言っても購買促進から認知度向上、ブランディングまで想定されることはさまざまであり、Instagramの活用には大きな可能性があるのです。
以前は、メルマガやステップメールなどのメールマーケティングもありましたが、現在はInstagramマーケティングが主流になっています。
Instagramを使ったマーケティングと聞いてまずどんなことが思い浮かぶでしょうか。
などのよく目に付く活動にフォーカスしてしまいがちですが、実はインスタグラムマーケティングで一番重要なのはアカウント運用なのです。
どういうことなのか詳しく説明すると、上で挙げた「インフルエンサーの起用」「広告出稿」「ハッシュタグキャンペーン」などを打ち出したあと、それらに興味を持ったユーザーが次にすることはその広告元のInstagramアカウントのチェックです。もしアカウントの発信している内容が活動的で洗練されておりユーザーの目に魅力的に映れば、そのユーザーは自社のWEBサイトやECサイトに飛んでくれたり、フォロワーになってサービスの情報発信をしてくれたりなど、価値の高い顧客になってくれる可能性がグンと高まります。アカウント運用の手法については下記で詳しく解説します。
アカウント運用以外の施策も有効なマーケティング手法ではありますが、その効果が発揮されるのは地道なアカウント運用の上であるということに留意しておきましょう。
InstagramはFacebook、Twitter、LINEのような文字によるコミュニケーションが中心のSNSに比べて、「写真」「動画」などのヴィジュアルコミュニケーションに特化したSNSです。ヴィジュアル情報は右脳を通して処理されるため、左脳を介して処理されるテキスト情報に比べ、直感的でポジティブな反応が得られやすいと言われています。
利用者層の比率としては、男性で42.3%、女性で54.8%と少し男女差がある傾向にあり、主に10代〜30代の利用率が高いです。主なターゲットは若年層の女性ではありますが、40代でも50%以上の利用率があり幅広い層に情報を届けられる可能性があります。
またInstagramは総務省の各種SNS利用率データを見てみても、統計に含められた2015年から利用率増加の一途を辿っており、2022年にはLINEを除けばSNSの中で全年代の中で最も利用率が高いSNSです。
グラフどうにかせい
(引用:令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 <概要> 令和4年8月)
ショップ機能などのビジネス参入を促進するような機能も実装されており、ビジネス利用も広がりを見せています。Instagramは今まさに最も注目されているプラットフォームと言えるでしょう。
Instagramの特徴とビジネス利用については以下の記事↓でも詳しく説明しています。
インスタグラムがビジネス活用向きな理由!実例やメリットを紹介
Instagramに限らず、WEBマーケティングにはさまざまな施策がありますよね。どの施策をどのように利用すればいいのかわからないという場合もあると思います。
「効果が出るのが早いのは?」「どのような層にアプローチができるのか?」というような疑問の答えを
を例に挙げてInstagram運用と比較しながらここでは検証していきます!
SEOとは、Search Engine Optimization の略であり、この施策は自身のWEBコンテンツページをGoogleやYahoo!などの検索エンジン上で特定のワードにおける検索表示を上にあげてより多くのアクセス数を稼ぐことを目的にしています。
Instagram運用との相違点は
です。
SEO対策で得られる層は基本的に顕在層です。これは「Instagramツール おすすめ」や「運用代行サービス おすすめ」などニーズが明らかなユーザーがこうした検索エンジンでの情報収集を行うためです。一方InstagramなどのSNSではアルゴリズムによるおすすめやフォロワーからの紹介などで潜在層を獲得できる機会が多くあります。
また、SEO対策が効果を発揮するまでは少し時間がかかります。これはWEBサイトのページ数や記事数なども検索表示順に影響してくるためです。一方SNS運用では上記のおすすめ機能などによって一気に知名度を上げることも多々あります。
さらにSEO対策では競合企業も多くいるために、ライバルと戦うためにはそれ相応のリソースを必要とします。
そして始めるにあたってサイト構築や記事制作費用などのコストが膨大になってくる可能性も多くあります。しかしInstagramなどのSNS運用においては、アカウント制作自体は無料でできるため、コスト面での障壁は低いでしょう。
SNSマーケティングと言ってもそのプラットフォームはInstagramに限らずFacebook、Twitter、Youtube、TikTokなど多岐にわたります。
ではそれらとInstagramにはどんな違いがあるんでしょうか?
これらSNSでは潜在層を多く獲得できる可能性が高く、かつ多くのユーザーがいるためより多くの人々にマーケティングアプローチが可能であることが共通しています。そのためブランディングや認知度向上のために利用されることが多くなっています。
基本的にInstagramが他のSNSと大きく違うのは、ファンの育成がしやすく投稿閲覧から購買までのルートが整備されており、購買行動に近いフォロワーを多く獲得しやすいというところにあります。
Youtubeはチャンネル登録や動画視聴をしてもらえることによってロイヤリティを獲得できる可能性はありますが、ライバルが多くインプレッション獲得のためにリソースを割く覚悟が必要です。
TikTokはスワイプで永遠に流れてくる動画を受動的に受け取っていくプラットフォームなのでインプレッション獲得による認知度向上には向いていますが、相互的なコミュニケーションを図りづらく購買行動を起こしてくれるまでのファンを育成するのは簡単ではありません。
TwitterやFacebookは利用者の世代や性別などに違いはありますが、コメントやDMなどで相互的なコミュニケーションが可能であり、文字中心のプラットフォームであるためWEB記事施策との相性もいいです。またFacebookは「シェア」、Twitterだと「リツイート」という拡散機能があるため拡散の爆発力が高いです。しかしInstagramに比べるとエンゲージメント率(投稿や広告に対するユーザーの反応率)がかなり低く*、比較的そこでのマーケティングから直接購買行動につながりづらいプラットフォームと言えます。
(*Instagram Advertising in 2018: What You Need to Know | Yotpo)
SNS広告とは、その名の通り予算を出してSNS上に広告を出稿するマーケティング手法です。
SNSプラットフォーム上にアカウントを設立して中長期的に運用するやり方に比べ、精度の高いターゲティングや潜在層へのアプローチ力、予算によっては短期間で多くの成果を上げることが可能です。
しかしアカウント運用のようにファン層を育てることは難しく、広告出稿をやめてしまえばアクセスがなくなってしまうため資産性に乏しいという欠点があります。アカウント運用と並行して行い、より多くのインプレッションを獲得するためのツールとして利用すると効率的です。
もちろんInstagramマーケティングを行う上で留意しておきたいこともあります。デメリットを理解しておくことでより効率的な運用を目指しましょう。
まずInstagramは「写真」「動画」などのヴィジュアルメディア中心のSNSであるということを理解しておきましょう。文字情報の制作に比べて画像・動画の制作は慣れていない企業の場合リソースを割かれてしまいます。
またアパレルなど視覚的イメージが重要視される商品や業種には向いていますが、金融商品やITサービスなど、視覚的なアプローチがしづらい商品の場合、Instagramでのマーケテイングを成功させるためには何かしらの工夫が必要となってきます。
しかしコメントやDMなどの機能を利用してユーザーとのコミュニケーションを密にしたり、社員の様子や近くの観光情報など興味を引くような画像を投稿したりして、企業に対する親しみのアピールやブランディングに利用するなど相性のよくないとされるビジネスでも上手にInstagramを活用している例もあります。
InstagramはFacebookやTwitterのようなプラットフォーム内での拡散機能がないため、投稿が多くの人に見てもらえるまでに比較的時間を要します。他プラットフォームにシェアすることは可能なので、他SNSとの併用などが一つの対策として効果的です。
またInstagramは投稿を一度見ると同じアカウントの投稿やそのアカウントとフォロワーを共有しているアカウントの投稿が優先的におすすめに表示されるようなアルゴリズムが組み込まれているため、ターゲットを絞り込めるメリットもある一方でフォロワー数の少ないアカウントが不利になってしまうデメリットもあります。
Instagramマーケティングを成功させるためには、地道ではありますが投稿を見てもらうための工夫が必須となってくるのです。
では投稿を見てもらうための工夫とは具体的にどのようなことなのかを
以上の6つの項目に分けて詳しく解説していきます。
まずはInstagram運用にあたっての目的・目標を明確にしておく必要があります。
「ブランディング」「商品の売り上げ増加」「認知拡大」「ファンの獲得」など企業によってさまざまな目的があるとは思いますが、この目的によって行っていくべき施策が異なる上にKPIの数値にも影響してくるので、目的設定は重要です。
そして「どのくらいの期間でどれくらいの成果を上げるべきなのか」「成果を図る指標は何にするのか」などの目標、KPI(重要業績評価指標)も設定しておくとその後の運用の方針を安定させることができます。
次に具体的にどのような人をターゲットにしていくかを決めておきます。マーケティングを行う上で普遍的なテクニックですが、これはInstagramマーケティング上でも重要であり、Instagram内で自社の商品をどんな人に認知してほしいのか、どんな人が購入してくれそうなのかをしっかり分析・検討しておくことで効率的なアプローチが可能です。
特にInstagramではアルゴリズムによって相乗的に相手の好きそうなコンテンツをおすすめ表示していくので、ターゲット設定は欠かせません。
Instagramマーケティングはコンテンツの面白さによって人を引きつけて認知を拡大していくやり方である「コンテンツマーケティング」にあたります。
また上でも解説しましたが、アカウントはさまざまなキャンペーンの土台となる部分です。まずはアカウントのクオリティを上げることを意識しましょう。
設定したターゲットに合わせて、相手のメリットとなる情報とは何かを分析することによって相手からの関心を高めることができます。また一貫した投稿テーマや頻度を設定しておくことで、よりターゲットの信頼を得やすくなり、フォロワーとの密度をあげてファン層を育成しやすくなります。
コンテンツを見てもらうところまで行けたら次のステップです。
「たまたまおすすめに出てきた投稿、面白かったけれどアカウントをわざわざ見にいくのは......」というユーザーの背中をひと押しするのがCTA(Call To Action)、つまり行動喚起です。
他の投稿の紹介文のような投稿の中にストーリーズなど他の投稿やアカウント訪問に誘導するような言葉を入れ込むことで自社アカウントの世界観にユーザーを引き込みましょう。
SNSマーケティングで注意しなければならないのはコンプライアンスの遵守です。
コンテンツを投稿するときは、Instagram上のガイドラインを理解した上で使用する必要がありますが、特にビジネスで使用する場合は他のユーザーの模範となるぐらいのしっかりした姿勢が求められます。ルールの確認は必ず丹念に行いましょう。
またInstagramにおいて注意するべきなのは「リポスト」などを行う時にユーザーの許可を取ることです。InstagramにはTwitterのようなプラットフォームが提供するシェアリング機能がないため、UGC(ユーザー生成コンテンツ)投稿を利用するときは「リポスト」と呼ばれるユーザーのコンテンツを企業が再投稿する形で引用することになります。この時にユーザーに投稿の使用について許可を取っておかないとトラブルに発展し、一気に信用を落としてしまう可能性があることを意識しておきましょう。
アカウント投稿が安定してきたら、アカウントの認知や規模を拡大するために華やかなマーケティング手法を利用することを考えていきましょう。
Instagramには「インスタグラマー」と呼ばれる、多くのユーザーに影響力を持つ人物・アカウントが存在します。自社のアカウントや商品を紹介してもらうことで一気に多くの認知が得られます。
インスタグラマーにも色々なタイプがいるので、宣伝したい商品やターゲットとの相性を考えて依頼しましょう。
他メディア広告と連携し、宣伝商品のハッシュタグをつけた投稿を促したり、UGCを集めるためにキャンペーン用のハッシュタグをつけた投稿写真のコンペを行なったりするなど、キャンペーンを行うことでInstagram上に自社商品に関する投稿が増えて話題性を創出し、かつInstagramマーケティングで重要となるユーザーとの関係性を作り出すことが可能になります。
Instagramマーケティングではユーザーとの関係性が大切になってくると書きましたが、その上で重要となるのがコミュニケーションスタンスの一貫性です。
Instagramは投稿やライブへのコメント機能や、DM機能によって、企業とユーザーが直接コミュニケーションを取ることができるプラットフォームです。このユーザーとのコミュニケーションに対して誠実になることを意識しておかなければなりません。
コメントは全員に返すのか投稿後一定時間の間のコメントにのみ返信するのか、他ユーザーのフォローはするのかしないのか、ダイレクトメールでの対応はどこまでするのかなどの基準を決めておきましょう。ここのスタンスが一貫していないとフォロワー間で格差が生じ、アカウントに対する不信感につながる可能性があります。
しかしユーザーとのコミュニケーションには人的・時間的コストがかかってしまいます。規模の大きいアカウントになればなるほどこの負担は大きくなっていきますが、アカウントの規模を大きくしていきたいと考える企業アカウントにとってはこの問題は無視できません。その場合、全くユーザーとの直接的なコミュニケーションを取らないスタンスをとっている企業アカウントもあります。
しかしそのようなスタンスだとユーザーとの関係性を高められるInstagramマーケティングのメリットが失われてしまいます。
ですがここで「コミュニケーションに時間的・人的リソースを割くことができない企業は諦めるしかないのか......」と諦める必要はありません!
最近Instagramが一部APIを公開したことで外部ツールの利用が可能になりました。
弊社の提供するsikiapiを導入することでダイレクトメールの返信を最適化させるだけでなく、Instagramでの集客分析やユーザーとのコミュニケーションなどスキルや手間がかかっていたことを任せることができ、他のメインとなる業務に集中する余裕ができます。
導入を検討してみたい方は以下のリンク↓よりサービスの確認・相談をどうぞ!
https://sikiapi.com/instagram
インターネット、SNSをビジネスに利用するケースが急増している中、Instagramをマーケティングに効果的に利用するためにはInstagramの特性をよく理解しておく必要があります。
ユーザーとの関係性を深められるInstagramの利点を活かすためにも、目的に合わせたさまざまな手法を用いて運用を進めていくことを意識しましょう!
株式会社リクルートホールディングスでWEBマーケティング業務および事業開発を経験し、アメリカの決済会社であるPayPalにて新規事業領域のStrategic Growth Managerを担当の後、株式会社Enigolを創業。対話型マーケティングによる顧客育成から売上げアップを実現するsikiapiを開発。