更新日:2023/07/24
Web市場の広がりと口コミ影響力の増大などにより、カスタマー対応を中心にマーケティング戦略には大きな変化が起こっています。今回の記事では、より良いカスタマーエクスペリエンスをどのように提供していくか・そのためにどのようなマーケティング戦略が企業に求められているかについて考えていくことにしましょう。
突然ですが、読者の皆さんはカスタマーエクスペリエンスと聞いて何を思い浮かべますか?カスタマーエクスペリエンスとは、「顧客が商品を購入時の体験・経験だけでなく、購入前から購入後のサポートまでを含んだ購入プロセス全体の体験」のことです。マーケティングに関わる人全員にとってカスタマーエクスペリエンスは大事な要素となってきます。
顧客の獲得・リピート・口コミなど色々な要素を決めてしまうカスタマーエクスペリエンス。近年では、このカスタマーエクスペリエンス・マーケティングの仕組みなどが一気に変わってしまいました。一体、何があったのでしょうか?
2019年末に中国を発端として、新型コロナウイルスが流行しました。2022年現在でも世界中で大流行している新型コロナウイルス。私たちの日常は大きく変わってしまいました。勿論、マーケティング・カスタマーエクスペリエンスも例外ではありません。私たちはこの劇的に変化してしまった世界の中でどのように生きれば良いのでしょうか?
今回の記事では、マーケティング・カスタマーエクスペリエンスの内容に絞って、より良いカスタマーエクスペリエンスをどのように提供していくか・そのためにどのようなマーケティング戦略が企業に求められているかについて考えていくことにしましょう。
より良いカスタマーエクスペリエンスを提供するためには現在のマーケティング分析が必要不可欠です。新型コロナウイルスによってマーケティングは大きく変わってしまいました。以前のマーケティングは、顧客が店舗に行って販売員に色々質問したり接客を受けながら購入するというプロセスが基本でした。しかし、新型コロナウイルスの流行後はSNSの発展の影響も重なってオンラインでの販売が主流になりました。例えば、チャットボットを利用したアパレル通販・ライブコマースを利用したコスメ販売・モバイルオーダーシステムを利用した喫茶店など・・・色々な例があります。このように以前とは全く別物のマーケティング業界が現れたのです。
さて、現在のマーケティングの分析を終えたところで・・・現在のマーケティングの中で顧客がどのようなことを望んでいるのかについてみていくことにしましょう。
より良いカスタマーエクスペリエンスを提供するために最も大事なことは何でしょうか?。それは顧客のニーズを満たすこと以外にありません。そこで、インターネットの口コミ・SNSなどを色々見ていくことで顧客のニーズを三つに分類してみました。
新型コロナウイルスの流行以降、感染に敏感になる人が増えてきました。買い物には行きたいけど・・・人混みは感染のリスクも高いし、他人からの目線もあるし・・・と悩む顧客が急増しました。そもそも、2020年の4月頃は緊急非常事態宣言で実店舗は営業してませんでした。実際にまたロックダウンなどがされる可能性もありますよね。多くの顧客は健康を含めた安全性を気にしています。しかし、それと同時に購買欲もある程度持っている。実際に緊急非常事態宣言が出されていた中でも一部のオンライン通販は多くの利益を上げることに成功しています。
上で、チャットボット・モバイルオーダーなどが主流になったと書きました。これらのシステムは顧客にとってどんなメリットがあるのでしょうか?まず自分が実際にモバイルオーダーを使ってみました。Starbucksのアプリを起動して、受け取り店舗を選択。持ち帰りか店内飲食か選んで・・・商品を選択して実店舗で受け取るだけ。実店舗では多くの人が列に並んで注文していました。モバイルオーダーなら待つことなくスムーズに受け取れるし、店員の聞き間違いなどのミスもありません。勿論、会話もないので安全性の向上にも繋がります。このようにオンラインでデジタル化したシステムは顧客にとって楽だし、時間の節約にもなるのです。
最後になりますが、最も当たり前ですが・・・最も大事な要素です。商品の品質は以前から大事でしたが、オンラインが主流になり重要性は増加しました。Starbucksなどの既存の有名店の場合なら、既に品質が保証されていると思います。しかし、インフルエンサーが始めた化粧品・新規のアパレルなどは品質などが不明です。顧客は品質の高い商品(生地がペラペラですぐヨレてしまう服などは求めていない)を買いたいですが実際に商品に触る機会が少ないことも現状です。そのため、しっかりとした商品の説明をすることによって顧客の期待に応え安心して購入して貰える環境が大事になるのではないかと思います。
以上、大まかに三つに分類してみました。簡単にまとめると、顧客は期待と安心安全を求めていると言えるような気がします。以下ではそんなカスタマーエクスペリエンスの向上のためにどのような方法があるのかを実例を交えながらみていきましょう。
カスタマーエクスペリエンスを向上させるには色々な方法があります。基本は上で述べたような顧客のニーズを満足させることが重要です。しかし、一つの方法ではなく複数の方法を組み合わせることが非常に効果的です。
上で述べたようにオンライン対応の強化は必須です。近年ではチャットボット・オンライン決済システムなどが流行しています。チャットボットは24時間顧客の質問に対応することが可能なので、顧客の質問を速やかに解決することが可能です。実はこれによって企業も質問対応に人数を割く必要がなくなるのでコストの節約にもなります。両方にとってWin-Winですね。オンライン決済システムは顧客は銀行やコンビニに行って払う必要がなくなり、時間の節約になります。チャットボットの画面からオンライン決済が可能なシステムも登場しており、多くのユーザーが満足しています。実際に複数の方法を組み合わせることの有用性も分かっていただけたと思います。
上で書いたようにカスタマーエクスペリエンスを向上させるためのツールは沢山登場しています。しかし、競合との差別化を図るためにはそのツールについて競合より先に精通していることが大事になってきます。言い換えれば、多くの人が気付いてから導入しているようでは遅いということです。それでは、先に気付くためにはどうすればよいのでしょうか?答えは単純です。マーケティング業界だけではなく、色々な業界にアンテナを張り常に色々考えておくことが大切になってきます。常日頃から本を読んだり、同じ経営者の人たちと色々話して情報交換するなど、マーケティング以外の部分(コミュニケーション能力・社交性)なども大事になります。勿論、収集だけではなくて正しい情報かを精査することも当然大事になります。間違った情報を除き、正しい情報だけを沢山取ってくることが大事ですね。
上で書いたように情報を集められたとしてもそれがマーケティングに生きなければ何も始まりません。カスタマーは商品の品質・安全性を求めているので、高品質の商品を作ったり、カスタマーに実際に分かってもらうことも大事になります。現在のマーケティングではインフルエンサーの起用なども大事になってきますし、どのインフルエンサーを起用するのかなど考えることは色々あります。起用するインフルエンサーが決まったとして、実際に関係性を持たないといけないですし・・・そういう点でもコミュニケーション能力・社交性などが大事になることは分かっていただけたのではないでしょうか?実際にマーケティング戦略も流行り廃りがあるので、常に改善・確認して進んでいくことが大事になります。
上で大きく三つに分けて書いてみましたが、コミュニケーション能力・社交性など本質的に大事なことが色々ありそうですね。そこで、もう少し抽象的ですが根本的に大事なことを抽出して考えてみましょう。大きく分けると四つになります。
コミュニケーション能力は社会生活を送るのに必須です。勿論マーケティングにおいてもです。カスタマーの意見を反映するためにはカスタマーからの意見を聞く必要性があります。オンラインだけでなく、対面で会って担当者や部下、あるいは直接顧客と話す機会があると思います。他にも、先輩の経営者やメンターに相談したり、取引先と話す時にも大事になってきます。コミュニケーション能力が低いと色々なところに支障が生まれてしまうので、色々な人と話す機会を沢山作るのが重要ですね。
いくらコミュニケーション能力があったとしても、解像度が低かったり、決断力がなければ何も始まりません。相手の考えを正確に理解して、自分の考えを正確に伝えることが大事になります。また、相手の話を聞いて自分のマーケティング戦略を見直し、新しい戦略を決断することも求められている大切な能力の一つです。知性を高め、物事を正確に素早く決断する。当たり前ですが、非常に重要な能力ですよね。常に頭を使って色々な視点で物事を考えていく必要性があります。
リーダーシップや認知度は部下を束ねるため、顧客を獲得する上で大事です。リーダーシップのある上司には部下がついていきたいと思うし、そんな上司が知性と決断力に溢れ意思決定がスムーズだったならば効果的にカスタマーエクスペリエンスを高めることが可能です。認知度がないとそもそもカスタマーエクスペリエンスが存在しなくなってしまうので、認知度は大切です。実際に、インフルエンサーを利用することで認知度を高めていく方法も普及してきているし、認知度が集まればカスタマーエクスペリエンスも集めやすくなります。そこで集めたカスタマーエクスペリエンスを分析し改善していくことが可能になります。
いくら質の高い商品を作ったとしても、部下や顧客に寄り添うことがなければ自分についていきたいとは思われないし、商品を買う気も無くなってしまいます。カスタマーエクスペリエンスにしっかりと共感して、顧客の考えていることを受け入れてしっかり反省をして次から改善していくことが大切です。強いリーダーシップや有効なマーケティング戦略も当然大事なのですが、人間として相手に優しくしたり、寄り添う共感性が最も人の心を動かすと思います。
以上、カスタマーエクスペリエンスの向上のために具体的な対策を確認して、それらを構成する本質的な要素を掘り下げて考えてみました。どの要素もそれ単体では成り立たないし、総合的に色々高いレベルで求められていることが理解できたのではないかと思います。また、マーケティングだけでなく日常生活においても大切な要素も多く、普段の生活においても色々活かせる部分・伸ばせる部分はありそうですね。
カスタマーエクスペリエンスとは何かから始まり、それをどのように改善していくかなど色々考えてきました。タイトルの通り、カスタマーエクスペリエンスは非常に大事です。カスタマーエクスペリエンスを向上させることが顧客を満足させ、結果として自分の企業の成長にも大きくつながっていることが分かっていただけたのではないでしょうか?日頃から顧客を第一に考え、カスタマーエクスペリエンスの向上のために色々考えて行動していく。そのためには、リーダーシップ・認知度・共感性・知性など様々な要素が必要です。マーケティングは上で書いたような色々な要素・素質が求められ大変な分野だと思います。しかし、だからこそ市場規模はとてつもなく大きく大きな利益を生み出すことも可能なのです。新型コロナウイルスの影響もあり、大きく変化をしてしまったマーケティング。これからも時代が変化するにつれて、多くの変化・困難が生まれてくると思います。しかし、どの時代でも求められている根本的要素は同じなのです。
ここまでこの記事を読んでくださった読者の皆さんは既に色々分かってらっしゃると思います。あとは自分で色々実践していくだけですよね。他にも色々気になる人はインターネットや本で詳しく調べてみてくださいね。読者の皆さんのマーケティングの成功を祈っています!!
株式会社リクルートホールディングスでWEBマーケティング業務および事業開発を経験し、アメリカの決済会社であるPayPalにて新規事業領域のStrategic Growth Managerを担当の後、株式会社Enigolを創業。対話型マーケティングによる顧客育成から売上げアップを実現するsikiapiを開発。