DRMの手法を完全解説【Instagramの活用が効果的】

DRMの手法を完全解説【Instagramの活用が効果的】

更新日:2023/04/19

ダイレクトレスポンスマーケティング(以下、DRM)とは、商品の販売を促進するマーケティング手法のひとつです。 プッシュ型の営業とは異なり、レスポンスがあった顧客をターゲットにしているため、興味がある顧客を効率よく獲得することができます。今回の記事では、DRMについて詳しく解説しています。

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DRMとは?

DRMとは、広告やプロモーションなど、自社のアピールに対し興味を持ちレスポンスを返したユーザーに対し、直接的にサービスや商品を販売する手法のことをいいます。
ただ情報を発信して周知してもらうのではなく、情報を受信した消費者にレスポンスを促す要素を含んでいることが特徴です。
分かりやすいたとえとしては、「今すぐお電話を」と決まり文句をうたい、ユーザー自身の行動を引き出すテレビ通販などがあります。
マーケティング

DRMの歴史

DRMの始まりは、1920年代にアメリカの企業が新聞広告やラジオを利用して自社の商品情報を流し、ユーザーからのアクションを待つという手法が始まりです。
その当時は仲介業者や実店舗を通し商品を売買することが主流だったため、この手法は非常に新しく、画期的でした。
当時は見込みユーザーの興味を引くべく、言葉選びから特典、保証などのアプローチ方法がたくさん発案、実行されました。
日本でDRMが導入されたのは、1998年ごろと言われています。
当時の日本では中小企業を主としてダイレクトメールやニュースレター、テレアポなどが導入された時期でした。
今も活躍しているジャパネットたかたや健康食品会社のやずやなどの大手企業も活用していました。
現在では、時間を問わず24時間利用できる、国が違っても情報を発信することができるインターネットとの相性のよさが注目され、さらに研究が進んでいる分野です。
マーケティング

DRMの3つの手法

DRMは基本的に「集客」「教育」「販売」の3つのプロセスで行われます。

・集客の段階

集客の段階では、見込みユーザーの個人情報、すなわちメールアドレスや電話番号、住所や氏名などのリスト化が目標になります。
自社のメディアを活用してユーザーが手を出しやすいキャンペーン価格の商品や、無料サンプル配布などの情報を提供します。
そして、興味を持ったユーザーがそれらのサービスを受けることと引き換えに、自らの個人情報を企業に提供することになります。

・教育の段階

そして、DRMにとってもっとも大切なのが、次の段階、「教育」です。
自社の製品に興味をもってレスポンスを返してきた見込みユーザーに対して、メールマガジンなどを使用して継続的に情報を提供していきます。
しかし、ここでの「教育」ではセールスが主体になるのではなく、企業とユーザーの間に信頼関係を築くことが目的です。
自社のサービスや商品についての偏見や思い込みを解消して、正しく理解してもらうことが大切です。
問い合わせに答えたり、アンケートを実施するといった取り組みも有効です。

・販売の段階

見込みユーザーが商品やサービスの魅力を理解したところで「販売」が行われます。
企業と見込みユーザーの間に信頼関係が構築され、消費者の購買欲求も高まっている時期なので、効率よく販売することが可能になります。
さらに、「今だけ」「限定」「特別」「特典」などといった言葉を使用し、特別なオファーを付加すると成功率が高まります。
DRMは成功率の高い、とても強力なマーケティング手法だといえるでしょう。
メリット

DRMのメリット

DRMのメリットでとくに大きなものは次の2つです。

1.購買意欲の高いユーザーがピックアップされる

DRMは、こちらの働きかけに対しレスポンスのあったユーザーにアプローチする手法です。
そのため、購買意欲の高いユーザーをピックアップすることができます。
ピックアップしたユーザーをリストにまとめることで、購買意欲の高いユーザーのリストを作成することができます。
この取り組みを続けることで、成功率を効率よく高めることができるのが、DRMのメリットのひとつです。

2.少ない費用で成果を得られやすい

DRMは、企業から多くの働きをするというより、ユーザーからの反応があってはじめておこなわれるものです。
広告や宣伝費が大きくかからないのが特徴であるため、中小企業や個人事業主などにも向いています。
グラフ

DRMを行うコツ

DRMを行ううえでポイントになってくるコツをお伝えします。

1.見込みユーザーを集める

いちばん大切なことは、見込みユーザーが増えることです。
しかし、ただ数が多ければいいわけではありません。
質の高い、より購買意欲の高いユーザーを集める必要があるのです。
そのためには何を意識したらいいのでしょうか。

①ユーザーにとってのとっかかりをつくる

まず始めに、どんな媒体を使い、どのような反応を目的にするかを決めます。
そのうえで、ユーザーの反応を得るためのとっかかりをつくります。
よくあるものが、「期間限定」「先着〇名様」「割引」「抽選」「プレゼント」などの特別キャンペーンです。
このとっかかりがなければ、DRMが始まらないので、予算的にも、時間的にも、この部分にしっかりと投資をする必要があります。

②わかりやすさ

CMやちらしをみて商品やサービスについて調べようとしたときに、自分の欲しい情報にすぐにたどりつけないと、ユーザーにとってストレスになります。
そのため、問い合わせをする際のルールを明確にしておいてもらったり、WEBサイトを調整し情報の整理を行っておく必要があります。
よく見かけるのが、本サイトとは別のキャンペーン特別サイトです。
キャンペーン用のライティングページを作っておくことで、ユーザーがほしい情報にすばやくたどりつくことができるようになります。
ユーザーの立場に立って、どのような手順をふめばストレスなく、より詳細なプロセスへと進んでいけるか考え取り組むことが大切です。

2.見込みユーザーを教育する

見込みユーザーを集めたら、すぐに購入するよう促すのではなく、育成を行います。
たとえば会員限定のサービスを設けたり、特典情報を配信したりするなどがあります。
この段階で大切なのは、企業とユーザーの間に信頼を築き上げていくことです。

①値段以上の価値を提供する

見込みユーザーからの信頼を得るためには、本来有料でなければ受けられないようなサービスを受けられたり、会員限定の特別価格で購入できたりすることがコツです。
問い合わせをするということは、商品やサービスに対し興味はあるけれど、決定的な購買意欲があるというわけではありません。
そのため、ここで自社を選んでもらうための理由つくりをしていきます。
消費者の目線に立ったきめ細やかなサービスを提供して、値段以上の価値があるものを提供して、選択してもらえる理由をつくっていきます。

②思わず惹きつけられるコンテンツを用意する

サービス・商品との関係あるなしに関わらず、感情が動くようなコンテンツを用意することも大切です。
たとえば、いっけんなにも関係がないように思われる漫画や、くすっと笑えるコラムなどがあります。
成果にはすぐにつながらないかもしれませんが、焦ることなくユーザーを教育していきましょう。

3.商品・サービスを販売する

営業でいう最後の段階、クロージングです。
見込みユーザーへの教育がじゅうぶんに行われていれば、強引にPRしなくても購入してもらえることが多いのですが、ここでは最終的な決断を後押しするためのポイントをご紹介します。

①期間限定やキャンペーンの活用

期間限定や割引、購入特典などのキャンペーンはよく使われる手法ですが、見込みユーザーにとってはとても有効な方法です。
たとえば、先客順や販売数の限定なども負荷価値となり、ユーザーにとっての最後の一押しに活用することができます。
特別感をいかに演出できるかが、重要です。

②販売形式の工夫

販売形式にも工夫が必要です。
購入者には商品購入時、心理的ハードルがあります。
その心理的ハードルが、購入意欲の邪魔をしてしまうことがあるのです。
そのため、販売形式を工夫して、その心理的ハードルを除去する必要があるのです。
支払い方法を工夫したり、保証内容を明示することで、ユーザーの心理的ハードルを下げることができます。
支払い方法の工夫という点では、初回無料や分割払い、キャンセルしないかぎりサービスが自動で継続されるシステムがあります。
これらの工夫をすることで、心理的ハードルがあり今まで購入に至らなかったユーザーも、購入に踏み切るきっかけができます。
さらに、1カ月無料期間を設けたり、10日以内のクーリングオフ制度を設けることで、見込みユーザーはさらに安心して購入に踏み切ることができます。
企業側としても、定期的な売り上げ確保につなげることができ、一石二鳥のサービスでしょう。
以上がDRMを行ううえで大切なコツです。
やみくもにDRMを取り入れるのではなく、戦略をきちんと練って取り入れる必要があるのです。
通知

DRMのおもな手法

1. インターネット

今の時代は、ほとんどの企業がインターネットで自社のWEBサイトを作成しています。
WEBだけでもあらゆる手法があり、ブログを含むオウンドメディアやWEB広告、メディア広告などで集客し、見込みユーザーからのレスポンスがあったら育成、販売をしていきます。
日常でインターネットを使うことがあたりまえになっているからこそ、WEBでの接点が重要になるため、まず最初に取り入れたいDRMのひとつです。

2. ダイレクトメール

代表例として、ちらしやカタログを使用したダイレクトメッセージがあげられます。
ダイレクトメッセージのターゲットとしては、在宅している主婦や高齢者です。
購入したことのある会社のダイレクトメッセージは93%の確率で開封されているという調査結果もあります。(DMメディア実態調査2021より)
サービスや商品を利用したことのあるユーザーには積極的にダイレクトメールを活用するとよいでしょう。

3. 電話やEメール

電話やEメールを用いた手法もDRMでは使われます。
電話は時としてクレーム対応が発生するリスクもありますが、直接的に顧客とやりとりができるため、そのぶん信頼関係を築きやすいという利点があります。
Eメールでは、役立つ情報の提供や商品購入後のお礼、誕生日のお祝いや特典に関するメッセージを送るのに適しています。
手間もコストもかからない、手軽な方法をいえます。

4. SNS

SNSはDRMの中でも注目の手法です。
企業がSNSを取り入れることで、

  • 直接的な接点を増やし注目してもらえる
  • 購買行動の際に「よくSNSで見る企業」として認識してもらえ、選択肢に入れてもらえる

といった利点があります。
取り組む際には炎上に注意しながら、ユーザーの興味をひくようなコンテンツの投稿をしてみましょう。
パソコン

DRMのデメリット

メリットの多いDRMですが、いくつかのデメリットもあります。
自社の商品やサービスについて理解したうえで、自社の商品やサービスをどのような市場で展開するかを考え、DRMを取り入れてみましょう。
デメリットは、以下の2点があります。

  • 販売までに時間がかかる
  • 商品やサービスの認知、ブランディングには不向き

それぞれ具体的に説明していきましょう。

販売までに時間がかかる

DRMは長い時間をかけて行う戦略です。
まず広告やコンテンツマーケティングによって自社の商品や、サービスに興味をもちレスポンスを返してくれた見込みユーザーの顧客リストをつくるところから営業が始まります。
そのため、顧客リストが集まるまでの間は、当然のことですが、売り上げも収益も発生しません。
このことから、DRMを始めるにあたり、企業側はある程度財源の確保を行っている状態にある必要があるのです。

商品やサービスの認知やブランディングには不向き

※ブランディング:ブランドを形作るための様々な活動のことをさす
DRMでは、マス広告のように多額の資金を投じて商品やサービスの認知獲得を行いません。
そのため、売り上げを確保できたとしても、商品やサービスのブランディングには不向きな手法といえるでしょう。
もちろん、時間の経過とともにブランド力や知名度が向上することは期待できますが、そもそもDRM自体がブランド力の向上や認知力を高めることを目的とした手法ではない、ということをしっかり理解しておくことが大切です。
以上2点がDRMのデメリットとなります。
どちらのデメリットも、DRMのメリットと真逆のものになっています。
DRMの利点を理解し、自社の商品やサービスに取り入れたい手法かどうかをしっかり検討する必要がありそうです。
インスタグラム

DRMにInstagramを活用する理由

DRMは、顧客に直接的にアクションを促し、反応を得ることを目的としたマーケティング手法です。Instagramは、1日あたり10億人以上のアクティブユーザーを抱え、特に若年層を中心に人気が高まっています。そのため、Instagramを利用したDRMの活用は非常に効果的な方法となっています。
Instagramを利用したDRMのメリットには、以下のようなものがあります。

ターゲット層にアプローチしやすい

Instagramは、特定のターゲット層にアプローチしやすいプラットフォームです。例えば、若年層にアプローチする場合、Instagramを利用することで非常に効果的なプロモーションが可能となります。

視覚的なコンテンツを活用できる

Instagramは、写真や動画を中心とした視覚的なコンテンツを投稿できるプラットフォームです。このため、魅力的なビジュアルや動画を活用することで、顧客に強いインパクトを与えることができます。

直接的な反応が期待できる

Instagramは、直接的な反応を得ることができるプラットフォームです。例えば、リンクを含めた投稿を行うことで、直接的な反応を促すことができます。
インスタグラム

Instagramを活用したDRMの方法

以下は、Instagramを活用したDRMの具体的な活用法です。

DM(ダイレクトメッセージ)を活用する

InstagramのDMは、個人的なコミュニケーションに適した機能です。例えば、顧客からの質問や問い合わせに対して、迅速かつ親密な対応を行うことができます。また、DMを活用して、キャンペーン情報やセール情報を直接送信することもできます。

インフルエンサーとのコラボレーション

Instagramには、多くのインフルエンサーが存在します。これらのインフルエンサーを活用して、顧客にプロモーションを行うことができます。例えば、インフルエンサーが自社製品を紹介することで、直接的な反応を促すことができます。

Instagram広告を活用する

Instagram広告は、直接的な反応を促すことができる効果的な方法です。例えば、キャンペーンやセール情報を含めた広告を投稿することで、直接的な反応を促すことができます。また、Instagram広告は、広告表示のターゲティングが非常に細かく設定できるため、ターゲット層に直接的なアプローチができます。

ハッシュタグを活用する

Instagramでは、ハッシュタグを利用して、投稿の検索性を高めることができます。自社製品やキャンペーン情報に関連するハッシュタグを活用することで、関連するユーザーにアプローチすることができます。また、ハッシュタグを活用することで、投稿の拡散性を高めることもできます。

インスタストーリーズを活用する

Instagramのインスタストーリーズは、24時間で消える短時間の投稿形式です。インスタストーリーズを活用して、限定的なキャンペーン情報やセール情報を投稿することで、顧客に直接的なアプローチを行うことができます。
以上が、Instagramを活用したDRMの具体的な活用法です。Instagramは、若年層を中心に多くのユーザーを抱えるプラットフォームであり、直接的な反応を促すことができるため、企業にとって非常に魅力的なマーケティング手法となっています。
Instagramを利用したマーケティングや、DRMにも利用できるInstagramのDM活用法などを以下の記事でも詳しく紹介しています。気になった方はぜひチェックしてみてください。
Instagramマーケティングとは?効果・テクニックを詳しく解説!
Instagram!DM基本機能から応用まで紹介します。
グラフ

まとめ

以上、DRMについてでした。
ただたんにDRMといっても非常に奥が深く、よく理解し活用することが大切ということが分かってもらえたでしょうか。
商品やサービスにうまくあったDRMを行うことで、利益は確実に向上します。
DRMの手法をうまく取り入れて、ユーザーとの信頼関係を築けるよう工夫してみてください。

柳沢智紀
この記事の監修者
柳沢智紀
株式会社Enigol

株式会社リクルートホールディングスでWEBマーケティング業務および事業開発を経験し、アメリカの決済会社であるPayPalにて新規事業領域のStrategic Growth Managerを担当の後、株式会社Enigolを創業。対話型マーケティングによる顧客育成から売上げアップを実現するsikiapiを開発。