EC(eコマース)の自動化を進めるメリットとは【効率上昇の理由】

EC(eコマース)の自動化を進めるメリットとは【効率上昇の理由】

更新日:2023/08/02

多くの企業が参入しているeコマース市場ですが、会社が大きくなればなるほど単調な業務と数多い顧客の対応は負担になっていきます。そのような状況を打破するためには、eコマース業務の自動化を進めることが肝心です。この記事ではeコマースの自動化で何ができるのか、どのようなメリットがあるのかを解説しています。

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eコマースの自動化とは?

自動化
eコマースの自動化とは、ソフトウェアを使用することで手動で行う必要のあるタスクを自動化する方法です。これにより、企業は規模を拡大するときに単調な作業を自動化させ複雑な作業に集中することができます。 
自動化は、同じ方法で行われる繰り返しの小さなタスクに有効です。例えばタスク管理、リード生成、販売などが自動化に最適です。これにより、メールを自動化して顧客の注文に返信したり、FAQに回答したりなどが自動に行われるようになれば、大幅な業務・人員の削減が可能になるでしょう。
他にも、さまざまなアプリ間で消費者データを送信したり、ユーザーアクションを追跡したり、ポップアップや電子メールなどのオンラインストアでイベントの発信ができたりします。
会社の規模が拡大するにつれて、需要と反復的なタスクも増加します。そうなると、以前は機能していたプロセスの一部が非効率になり、管理できなくなります。最終的には、注文状況、サポートへの問い合わせに関するメッセージ、在庫の管理に関するメールに圧倒されることになります。その結果、ビジネスの成長よりもそれらの処理に多くの時間を費やすようになるかもしれません。
しかし、ここで自動化することによってこれらの問題は解決できます。業務の自動化でオンラインストアを目標に向かって効率的に運営しましょう。

eコマースの自動化のメリット

EC
ここではeコマースの自動化のメリットを解説します。

時間の節約になる

反復的なタスクを取り除くと、より重要なプロセスを処理する時間が増やせます。繰り返しのプロセスには、ソーシャルメディアへの投稿や電子メールマーケティング、キャンペーンのライブ配信のスケジューリング、クライアントからの受注などがあります。自動化を選択すればするほど、あなたはほとんど関与することなくそれらのタスクを完了できます。 
マーケティング担当者の約74%が自動化ツールを使用する主な理由が時間の節約であると回答しています。ビジネスの成長に関連するタスクに集中できる一方で、より短い時間でより多くのことを行えるということが既に実証済みなのです。

エンゲージメントの向上に繋がる

eコマースの自動化をすることによって

  • 必要な情報をより迅速に提供する
  • タスクを実行する際の自律性を高める
  • 購入プロセスの一部を排除する

ことが可能になります。これらを実行することにより、顧客エンゲージメントの向上につながっていくのです。実際、調査によると、企業が自動化の使用を開始すると、購入率とエンゲージメント率が250%も急増することが示されています。
その上、従業員はデータ入力の負担を軽減し、彼らが参加したタスクに集中できるようになれば、企業はさらに成長できるでしょう。

コストが削減できる

パソコン業務
e コマースを自動化すると、新規顧客を獲得するコストが削減され、従業員の雇用を節約できます。スタッフが関与することなくより多くの取引を成立させ、より多くの見込み客を生み出すことができます。これにより、管理の時間とコストを削減することもできるため、ビジネスの成長に役立つ他の要素により多くの費用をかけることが可能になるのです。
eコマースの自動化により、社内の生産性を約15%向上させ、マーケティングコストも12% 以上削減されることがわかっています。

顧客満足度の向上に繋がる

顧客を満足させると、ブランドに対する顧客満足度が高まります。また、新しい顧客を獲得するには、既存のクライアントを維持する場合に比べ、最大25倍の費用がかかる可能性があります。また少数が数百単位になると、顧客との関係を維持することも難しくなることがわかっています。
しかし、eコマースを自動化させれば、顧客を満足させるための施策を練っている間に、一人ひとりの顧客にアプローチすることができます。オンラインストアでのカスタマーエクスペリエンスが向上し、不在時でもサポートを提供できます。顧客の89%以上が、その会社で良い経験をした場合、再度購入する可能性が高いこともわかっています。

マーケティング活動の改善に繋がる

e コマースマーケティングの自動化ソフトウェアを使用すると、キャンペーンを改善し、放棄されたカートをさらに節約できます。これは、24時間年中無休でリアルタイムのデータ収集を行い、適切なタイミングで適切な対象者にメールを送信できるためです。このツールによって収集される情報には、メールのパフォーマンス、クリック率、エンゲージメントが含まれます。
このデータを使用して、フォローアップのメールを最適化し、キャンペーンの結果を改善できます。一部のeコマース自動化システムでは、実行可能な次のステップを提供し、収集されたすべてのデータを1つのダッシュボードに表示してくれるものもあります。

eコマース自動化の機能と効果

EC
ここではeコマースの自動化の機能の例とその効果について解説します。

1. 顧客を歓迎する

実店舗に足を踏み入れると、ポジティブなトーンの店員に歓迎されますが、オンラインストアではそのようなことはありません。 
しかし、自動化されたウェルカムメッセージを訪問者に送信し、仮想のショッピングアシスタントを使用することで、サイトでのエクスペリエンスを向上させることができます。この機能では、潜在的な顧客に挨拶し、質問があるかどうかを尋ねるチャットボットも使用できます。

2. マーケティングを改善する 

ウェブサイトの訪問者に送信されるポップアップとメッセージを取得して、購入を完了するように促すことができます。これらには、その訪問者にあった推奨事項、割引コード、オファー広告が含まれます。
さらに、より多くのリードを生成し、自動化された電子メールマーケティングを使用して売上を増やし、より多くのリピーターを獲得できます。

3. 不正防止

これは eコマース市場にとって深刻な問題です。支払い詐欺に関連する世界的な損失は 2011年の98億4000万ドルから2020 年には323億9000万ドルに増加しています。
eコマースを自動化すればこのリスクを最小限に抑えることができます。また、すべての注文の正当性を手動で検証する代わりに、不正な注文を検出してキャンセルするソフトウェアも使用できます。これらによって、ストアは安全な場所となり、不正な取引の検出に毎日何時間も費やす必要がなくなります。 

4. 顧客をグループに分ける

グループ分けのイメージ
顧客をセグメント化することで、顧客へのアプローチを改善し、マーケティング戦略を改善し、適切なコミュニケーションを取ることができます。
オーディエンスをセグメント化することは、少し困難で時間のかかる作業になる可能性がありますが、以前に設定したセグメントに連絡先を整理するツールを実装できます。これらの顧客グループは、年齢、住所、関心、またはマーケティングとコミュニケーションに関連するその他の基準から分けられます。

5. 顧客関係を改善する

e コマースの自動化は、買い物客との関係の構築と育成に役立ちます。夜間や週末の顧客とのコミュニケーションを自動化できるため、担当者が不在の場合でも、クライアントに対して常に商品やサービスをアピールできます。このコミュニケーションには、一般的な質問に対するセルフサービス、自動注文、感謝のメール、パーソナライズされたオファーなどが含まれます。 
このようにして、顧客はいつもサポートされ、歓迎されていると感じ、顧客との関係が改善され売上が向上します。

6. ウェブサイト訪問者のリターゲティング

誰かが商品を購入せずにサイトを離れたら、別のウェブサイトで訪問者をリターゲティングして、あなたの店に戻ってくるよう説得することができます。これで、顧客を呼び戻して、顧客のニーズを満たすことができることを示すことができます。
そのためには、購入を完了せずにストアを離れた人にターゲットを絞った広告を表示する自動化を設定しましょう。例えば、訪問者が特定の商品を見たり、カートに何かを入れたりしたものの、注文を完了していない場合など、さまざまなルールを設定できます。
顧客情報のイメージ

7.放棄されたショッピングカートを保存する

見込み客が注文を完了せずにサイトを離れる前に、サイトに留まるよう説得できます。放棄されたカートを保存するために使用できる自動化には、割引を提供したり特別オファーを提示したりするポップアップやチャットメッセージが含まれます。
その上、eコマースストアの割引コードを取得したい買い物客から電子メール アドレスを収集することで、見込み客の生成に役立ちます。

8.在庫管理

在庫管理では、在庫を追跡し、注文額で販売予測を作成し、それらの予測に基づいてアイテムを作成する必要があります。これらのタスクにはかなりの時間がかかるため、ストアをスムーズに運営し続けるためには、自動化が適しています。
自動化には、在庫が少なくなったときの情報更新や、人気商品の再注文が含まれます。これにより、在庫を常に把握しておくことができます。

eコマースの自動化の例

EC
ここではeコマースの自動化の例を紹介します。

マーケティングオートメーション

マーケティング自動化ツールによって、複数のプラットフォームとマーケティングプロセスとキャンペーンを自動的に管理できます。eコマースの自動化ツールでは、Web サイトや電子メールからの指示に従ってメッセージを送信できます。これらにはポップアップ、チャットメッセージ、電子メールなどが含まれます。 
例えば、eコマースの自動化ツールを使用するオンラインストア『Paint Your Life』のWebサイトでは、自動ポップアップを使用して、電子メールアドレスと引き換えに訪問者に割引を提供しています。

フルフィルメントの自動化

eコマースのフルフィルメント(注文から商品が顧客に届くまでの一連の流れ)の自動化は、業務の速度を上げ、人為的エラーを減らし、オンラインショッピングで起こる摩擦を取り除くのに役立ちます。注文処理の効率を高め、顧客が商品をより早く受け取ることができるようになります。 
例えば、倉庫管理システムは手動のデータ処理を排除し、長期的にはより迅速にスケーリングできるようにします。

カスタマーサービスの自動化

自動化されたカスタマーサービスにより、買い物客は人間の担当者とやり取りすることなく疑問を解決できます。単純で反復的な質問を処理し、難しい問い合わせを適切な部門に転送することができます。
また、エージェントが解放されて複雑な問題やビジネスのスケーリングに集中できるようになります。通常、カスタマーサービスの自動化にはセルフサービスヘルプセンター、チャットボット、FAQなどが挙げられます。これらは人間の担当者とは異なり、年中無休24時間365日利用できるため、応答時間が短縮され顧客満足度が向上します。
eコマースにおけるカスタマーサービスの自動化、特にチャットボットを利用した例については以下の記事にも詳しく書いてあります。
ネット通販にチャットボットを活用する方法【売上・効率UP】

オンボーディングの自動化

オンボーディングの自動化により、新入社員に必要なアプリケーションを提供し、オリエンテーションやミーティングをスケジュールし、ドキュメントを整理します。これらによって、セキュリティリスクや人的エラーの最小化、競争力の強化、従業員の定着率の向上などが見込めます。 
顧客のオンボーディングを自動化することも可能です。これには、製品やサービスを説明するバーチャルツアーやガイドの提供が含まれます。オンボーディングの自動化は、新規顧客が製品に慣れ、その可能性を最大限に活用する際に役立ちます。

まとめ

EC
今回はeコマースの自動化について、利点や例、その効果などを紹介しました。eコマースを自動化することによって、多くの反復的なタスクを削減し、重要な作業に集中できるようになります。この記事を参考に自動化システムの導入を検討してみてください。
eコマースの自動化や、Instagram連携による効率化など、他にもさまざまな記事を掲載しています。eコマースの業績をアップさせていきたい方は参考にしてみてください。
InstagramとECサイトを連携!メリットや使える機能を紹介
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柳沢智紀
この記事の監修者
柳沢智紀
株式会社Enigol

株式会社リクルートホールディングスでWEBマーケティング業務および事業開発を経験し、アメリカの決済会社であるPayPalにて新規事業領域のStrategic Growth Managerを担当の後、株式会社Enigolを創業。対話型マーケティングによる顧客育成から売上げアップを実現するsikiapiを開発。