更新日:2023/07/24
Webマーケティングが伸長し、オンライン上の接客要員としてのニーズが高まっているチャットボット。しかし顧客ニーズを満たすためにチャットボットを導入しても果たして上手くいくのか不安ですよね。今回は顧客ニーズに応えるためのチャットボット活用法を実際の事例とともに紹介していきます。
チャットボットとは、メッセージや音声に対して自動で応答してくれるプログラムがしてあるコンピューターです。
主に、企業ホームページの問い合わせフォームや電話、公式SNSなどのメッセージ、DMで活用されていることが多く、実際にチャットボットによる対応を受けたことのある方も多いと思います。
チャットボットには、主にAI型チャットボットとシナリオ型チャットボットの2種類が存在しており、最近では2種類を組み合わせたハイブリッド型チャットボットもあります。
AI型チャットボットは、機械学習や自動データ収集・分析による対応精度の向上が期待できますが、導入初期に必要な設定やメンテナンス、毎月の利用料など高いコストが発生します。
シナリオ型チャットボットは、複数通りのシナリオをもとに対応するため、よくある質問や定型メッセージなどの単純作業で活用できます。
しかし、シナリオにない問い合わせや複雑な質問に対応することは難しいので、有人対応に切り替えら得る仕組みを作って運用する必要があります。
チャットボットには、数多くの機能が搭載されており、多くの企業で導入されています。そんなチャットボットを導入することによって、どのような顧客ニーズに応えられるのでしょうか?
ここでは、チャットボットで応えられる顧客ニーズを、主に3つ解説します。
チャットボットは、24時間365日対応することが可能です。
有人対応であれば、法的な労働時間や体力的な限界、会社の運営時間や人件費などのさまざまな問題によって、対応できる時間が限られています。
しかし、チャットボットであれば、どのタイミングであっても低コストで顧客からの問い合わせなどに対応することが可能です。そのため、夜勤や不定休などで生活リズムが複雑な顧客や突然のトラブルなどにも迅速に対応することができ、会社の営業時間外でも問題なく対応できます。
また、電話での問い合わせの場合、複数の問い合わせが重なることによって、電話が繋がらなかったり、長時間待たされることがあります。そういった場合でも、チャットボットであればスムーズに対応できるので、顧客を待たせる必要がありません。
チャットボットは、自社の商品の使い方やサービスの利用方法がわからない顧客やどの商品やサービスを購入しようか悩んでいる顧客がいた場合にサポートが行えます。
これまでの顧客データやよくある問い合わせ内容を元に、どのような顧客にどんな悩み、ニーズがあるのかを把握できるので、そのデータを元に回答します。
さらに、チャットボットで悩みのある顧客に対して専用の質問を用意して質問の回答内容によって商品やサービス、解決策などを提案する仕組みを作ることで、スムーズにヒアリングが可能です。悩みのある顧客に多くの選択肢や手間があると、他社を選んだりサイトを離脱してしまうことがあります。
しかし、チャットボットがスムーズに顧客をヒアリングして顧客の悩みなどをサポートすることができれば、それらのリスクは防げます。
企業に問い合わせを行いたい顧客の中には、電話による有人対応ではなくメッセージや音声による対応を求めている場合があります。有人対応を受けることに対して抵抗がある方の場合、それだけ問い合わせのハードルは高くなります。
しかし、有人対応に加えチャットボットによる対応も行えば、そういった方の問い合わせも受けられます。
また、問い合わせのハードルが下がったことで、問い合わせ件数が増加すれば、顧客データの収集・分析も効果的に行えるので、顧客に対して最適な商品やサービスの提供が行えるようになります。そのため、顧客の問い合わせハードルを下げることで、顧客満足度の向上も期待することも可能です。
チャットボットを導入することによって、さまざまな顧客ニーズに応えることができることがわかりました。しかし、顧客ニーズに効果的に応えるためには、ただチャットボットを導入しただけでは実現できません。
続いては、顧客ニーズに応えるために必要なことを、主に3つ解説します。
チャットボットをどのような目的で導入するのかしっかりと明確にしておくことは、顧客ニーズに応えるためには大切なことです。
例えば、「同じ質問が多いから、シナリオ型チャットボットで対応する」「サイトや顧客分析をして、業務効率や顧客満足度を向上させる」などの目的があります。チャットボットには、さまざまな機能が搭載されており導入することによって、企業にも顧客にも多くのメリットがありますが、目的を持って導入しなければ高い効果は期待できません。
また、自社に適したチャットボットの種類や機能を考えて導入しなければ、逆にコストや負担が増えることにもなりかねません。そのため、顧客ニーズに応えて自社の業績を伸ばすためには、チャットボットを導入する目的を明確にさせましょう。
顧客ニーズに応えるために必要な課題や自社の業務改善に必要な機能などを分析して、どんなチャットボットが最適か判断することも大切です。
チャットボットはAI型とシナリオ型の2種類だけではなく、提供している企業によって豊富な機能が搭載されています。そのため、評判の高いチャットボットや費用の高いAI型チャットボットを導入したからといっても、自社に適していなければ、無駄なコストになってしまうだけです。
しっかりと自社の課題とそれを解決できる機能を考えて、最適なチャットボットを選ぶことが顧客ニーズに応えるためには、大切なことです。顧客ニーズに応えることは、業務効率の改善や業績の向上にも繋がるので、チャットボットを導入する時は、必ず自社に最適な機能を考えて判断しましょう。
チャットボットを導入する前に、自社が抱えている顧客や参入市場の顧客に、どのような悩みやニーズがあるのかを把握しましょう。
顧客や見込み顧客、潜在顧客などが抱えている悩みやニーズを把握した上で、現状では対応しきれない部分をチャットボットで代用することで、より効率的に運用できます。
また、多くの顧客が抱えている悩みやニーズに対して、適切な対応をすることができればチャットボットの導入が不必要になる可能性もあります。実際に、チャットボットのコストや機能が負担になり、有人対応に戻した企業も多く存在しています。そのため、事前に顧客の悩みやニーズを把握してから、それに適したチャットボットの導入や導入の検討を行いましょう。
実際に、チャットボットを導入したことによって、顧客ニーズに応えることができ、高い効果を得た企業の成功事例を、主に5つ紹介します。
メンズスキンケアブランド「BULK HOMME」の運営をしている株式会社BULK HOMMEは、2019年3月にECサイトにチャットボットを導入しました。
公式LINEにチャットボットを活用することによって、質問や問い合わせに対応やLINEトーク上からLINEPayで商品の購入を行うことが可能です。これまで紹介された商品を購入するためには、ECサイトにアクセスし決済ページに移行する手間がありましたが、今ではLINEで完結できるので、コンバージョン率の向上にも大きく貢献しています。
参照:BULK HOMME 公式サイト
楽天グループ株式会社は、2018年11月に楽天市場にチャットボットを導入しました。
楽天市場では、ショップへの問い合わせや決済などのお客様サポートをチャットボットで対応したことで、店舗負担を軽減して顧客満足度の向上をさせることに成功しました。
また、問い合わせチャットでは、直接LINEのようにメッセージが送信できるので、誰でも気軽に活用できることが特徴的です。
楽天カードのお客様サポートで導入している自動応答のAIチャットをリニューアルし、これまで解決できなかった顧客ニーズにも対応できるように改善されました。そのため、初めて利用する方でも安心して発行や支払いが行えるようになったため、利用者の増加も見込めるようになりました。
参照:楽天市場 公式サイト
株式会社HISは、2017年7月にAI型チャットボットを導入し24時間対応やFAQサイトを充実、ユーザーとの会話からデータを蓄積し、マーケティングや開発で活用などしました。
さらに、2020年も新型コロナウイルスの影響で外出する機会が減少したことをきっかけに、オンライン上でチャットボットによる旅行相談や予約、予約後のサポートが行えるようになりました。チャットボット導入によって、新たな接客体制を整えることによって、顧客の外出頻度は減少しても、企業との接点を強く持たせることが可能です。また、顧客も問い合わせのハードルが下がったことや気軽に質問でき、問題解決も早くなるなどのメリットを得ることができました。
参照:HIS(エイチ・アイ・エス) 公式サイト
株式会社みずほ銀行は、2019年1月に日本最大級のQ&Aサイト「OKWAVE」を運営している株式会社OKWAVEのAIを搭載してチャットボット「みずほチャット」を開始しました。
OKWAVEに蓄積した大量の質問や回答のデータを学習させてあるので、顧客からのさまざまな問い合わせに24時間対応できます。さらに、スマホやPCで手続きや利用に関する質問に会話形式で対応するので、これまで以上に気軽でスムーズに問い合わせを行うことが可能です。そのため、導入前と比較して約80%以上の顧客の悩みを解決できており、顧客満足度が大きく向上しました。
参照:みずほ銀行 公式サイト
株式会社UNIQLOは、AIチャットボットサービス「UNIQLO IQ」をアプリ内で利用できるようになっており、実店舗でもレジで連携しています。
顧客が店員に対して行った質問やこれまでの問い合わせ内容を学習して構成されているので、幅広い質問に対応することが可能です。また、AIが対応しきれない新しい質問などは、有人オペレーターにスムーズに切り替わるようになっています。さらに、チャットボットでは、性別や人気ランキング、おすすめコードなどからおすすめの商品を表示させたり絞り込み検索を行えます。そのため、UNIQLOはチャットボットの導入によって、利便性や問い合わせの解決率の向上などの効果が得られました。
参照:UNIQLO 公式サイト
sikiapiは、Instagram専用のMAツールであり、チャットボットとしても活用することができます。
Instagramを集客やマーケティングに活用するために運用している企業がとても多くありますが、効果的に運用できている企業は少ないです。実際に、Instagramのフォロワーやアクセスを伸ばすためのコンサルに高い費用を支払っている場合もあります。
sikiapiでは、メッセージやクーポンの一斉送信や定型文によるbot対応、フォロワーやインプレッション管理、複数アカウントの運用サポートなどを行います。そのため、Instagramの知識が少なく悩んでいる企業でも、効果的な運用サポートによってアクセスやフォロワー数の向上が期待できます。
Instagram運用で悩んでいる方は、ぜひ公式サイトにアクセスしてみてください。
参照:sikiapi 公式サイト
チャットボットは、企業の業務効率や売上の向上、従業員の負担減少などの企業側に得られるメリットだけではなく、24時間対応や顧客の悩み解決など顧客側にもメリットがあります。
しかし、チャットボットで顧客ニーズに応えるためには、しっかりと情報収集・分析や導入目的や運用体制を整える必要があり、準備や対策が不十分ではあまり効果が期待できません。
これからチャットボットの導入を検討している企業は、ぜひ今回の記事を参考に、自社に最適なチャットボット選びをしてみることをおすすめします。
株式会社リクルートホールディングスでWEBマーケティング業務および事業開発を経験し、アメリカの決済会社であるPayPalにて新規事業領域のStrategic Growth Managerを担当の後、株式会社Enigolを創業。対話型マーケティングによる顧客育成から売上げアップを実現するsikiapiを開発。