更新日:2024/12/18
Instagram Messaging APIの利用を開始するためには、Instagramのビジネスアカウントを設定し、Facebook開発者アカウントを通じてAPIを利用する準備が必要です。APIにより、顧客とのコミュニケーションを効率的に管理でき、AIチャットボットで自動応答も可能になります。これにより、カスタマーサポートの負担軽減や販売機会の向上が期待できます。Instagram Graph APIやMessaging APIを活用することで、ビジネス運営がより効率的になります。
APIはApplication Programming Interfaceの略で、アプリケーションやソフトウェアとプログラムをつないでいます。ソフトウェアコンポーネントが互いにやりとりするのに使用するインタフェースとなり、ソフトウェアの一部を公開して、他のソフトウェアの機能を共有できるようになります。
しかし、外部からソフトウェアの機能を利用するといっても内部のコードは公開していませんので、外部からは機能の使い方や仕様はわかりません。そのため使い方を説明する必要がありますので、APIは機能だけでなく使い方やルールも合わせてWeb上に公開しています。
ソフトウェアの一部をWEB上に公開して誰でも外部から利用できますので、自分のソフトウェアに他のソフトウェアの機能を埋め込むことができるようになります。開発者はWeb上に公開されているAPIを無料で使うことができ、これによりアプリケーション同士で連携することが可能になります。
APIを使って開発するメリットとして、効率的に開発できること、データを二次利用できること、サービス利用者の利便性がアップすること、セキュリティが向上すること、などがあげられます。また、無料で利用できますので開発コストの大幅な削減ができますし、いろいろなツールやサービスを使ってアプリ開発の効率化を図ることも可能になります。
APIで作りたい機能がすでに公開されていれば、同じプログラムを最初から作る必要がありませんので、効率的なアプリケーション制作が可能となり、開発時間を大幅に短縮できます。APIでは他社のデータを使うこともできますので、同じ情報をさまざまな分野で活用すれば、情報を分析することが容易になり、各分野に特化した分析ができるようになります。
他社のユーザー情報を使って自社のサービスにログインできる機能を作れば、あらためて会員登録をする必要がなくなり、データ入力などの面倒な手続きを省くことができます。FacebookやTwitter、GoogleのAPIキーを取得すれば、自社のサービスにSNSログインを設定できますので、会員登録手続きにセキュリティレベルの高いシステムが使えるようになります。
APIは、ビジネス、開発ツール、教育、エンターテイメント、SNS、仕事効率化、ゲーム、ライフスタイル、写真、グラフィックデザイン、健康&フィットネス、スポーツ、ビデオ、天気、旅行などの各システムで使用されています。SNSでは、FaceBook API、Twitter API、Instagram Graph API、LINE Messaging API、Pinterest、LinkedIn、ツイキャス APIなどがあります。
Webで利用されるAPIには公開と非公開のものがあります。Open APIはアプリケーションの機能や管理するデータ等を他のアプリケーションから利用するもの、Partner APIはユーザ登録した開発者に限定して公開しているもの、Closed APIは企業やグループ企業内部で利用するもの、Composite APIは一つのAPI連携で複数のWebアプリケーションや他のAPIにアクセスできるものです。
APIをベンダーがWeb上で公開すると、サードパーティのソフトウェアと機能を一部共有できるようになります。Instagram Graph APIは、Instagramの運営元であるFacebook社が、外部パートナーに向けて機能やデータを提供し、ルールを守った活用を促し一部の機能やデータを共有しています。
Web APIはインターネット上で公開されているWebサービスを呼び出して、他のサービスと連携することができます。インターネット上で公開されているサービスはクラウドサービスと言われ、インターネットで公開されているAPIはGoogle、twitter、Outlook、Windowsなど、各社でさまざまな機能を提供しています。
Web API通信の構築はサーバや開発環境などの準備段階は、開発から連携まではアプリケーション設計の仕組みを考えたり、プログラムやデバッグ作業などが中心です。認証の段階では、インターネット経由で利用できる大規模サービスと連携し、利用側は対象サービスのアカウント取得、提供側はシステム運用管理やセキュリティ対策が必要とされています。
Web APIは、Webのクライアントがデータを送信してサーバからデータを返送してもらう原理を利用し、プログラムがサービスを利用するための窓口の役割をします。クライアントのプログラムがWeb APIにWeb経由でデータを送信し、データを受け取ったWebサーバがデータを処理し、再びWeb経由でクライアントに処理結果のデータを返信します。
Instagramはリリースから利用者を伸ばし続けて、2019年には3300万人もの多くのアクティブユーザーを獲得しています(Instagramによる2019年6月7日発表)。このまま伸びていけば、かなりの人がInstagramユーザーになりますので、マーケティング利用の上でも大きな将来性と可能性があります。
引用元: https://gaiax-socialmedialab.jp/wp-content/uploads/2839ab849d9b2c81bd86f4778e9767e3-37.jpg
プラットフォーム上のコンテンツがきっかけで購買行動を起こしたり、口コミ投稿をしてくれたりする確率が高いことが、Instagramの他のプラットフォームに対する強みです。SNS情報をきっかけに商品購入したユーザーの割合と、利用商品に対する口コミの投稿経験あるユーザーの割合は、どちらもInstagramがトップとなっています(アライドアーキテクツ社調べ2021年)。
引用元: https://www.aainc.co.jp/graph_05.png
Instagramはハッシュタグの利用が盛んなSNSで、ハッシュタグによって好きなジャンル・カテゴリーごとに検索することが快適にできます。店舗、企業、商品、場所から人に至るまで、さまざまなジャンルの検索が可能です。情報量が多く全体の流行や特定のジャンルの流れが見えやすく、ハッシュタグの利用により大規模なキャンペーンの展開も可能です。
Instagramではユーザーの属性や投稿の反応や選択に応じ、即応した広告やコンテンツを表示されやすくするアルゴリズムが組まれています。流れてくる投稿に対するユーザーの反応率が高くなり、興味のある人に優先的に投稿が表示されますので、コンテンツの影響力も大きくなります。
先にInstagram基本表示APIとInstagramグラフAPIが公開され、基本表示APIでは認証が完了したユーザ自身が投稿した画像や記載文字の情報を、グラフAPIではビジネスアカウントやクリエータアカウントに限り、ユーザ自身が投稿した画像や記載文字の情報をbasic diplay apiのように取得できます。
2021年に新しく公開されたInstagramコンテンツAPIにより、投稿のスケジューリングや、その他投稿に関する内部プロセスを構築することができるようになりました。利用できるのはビジネスアカウントのみでとなっていますが、Instagramのユーザーは90%がなんらかのビジネスアカウントをフォローしておりますので、メッセージングが重要になっていました。
Instagram Messaging APIは2020年から、顧客とのコミュニケーションを広範囲に管理するツールとして、ベータテストで提供されていました。2021年6月に新たに追加されたInstagram Messaging APIを活用することで、Instagramのダイレクトメッセージ(DM)などに、外部アプリケーションから回答できるようになりました。
オンラインで展開するビジネスにおいては、Eメールや問い合わせフォーム、ソーシャルメディアなど顧客窓口が多岐にわたり管理が難しくなっています。Instagram Messaging APIの登場により、Instagramからの問い合わせに対しても、一元的に管理することができるようになりました。
人の手でメッセージに対して回答するのではなく、AIを活用したチャットボットにより回答を作成するツールも多数登場しています。Instagram Messaging APIにより、InstagramのDMなどで自動の回答を用意することが可能となり、カスタマーサポートの負担軽減やセールス機会の損出の削減も可能です。
Instagramには個人アカウント、プロアカウント、クリエイターアカウントがあり、インフルエンサーはプロアカウントの使用が多いようです。アカウントの設置・運用は基本的に無料となっており、かなりの低予算で運営することができますので、ビジネスとして企業の運用も増えています。
プロアカウントでInstagramグラフAPIの利用が可能になったこと以外にもさまざまな利点があり、インサイト機能の利用、サマリー情報、フォロワー、投稿情報を取得できます。アクセス数、フォロワー数、クリックされた数、保存ユーザーなどを分析すれば、どんな人が興味を示しているかなどを分析することができます。
これらの情報をもとに次の投稿や紹介する事柄の戦略を練ったりできますので、自身の方向性と相まってを一環した戦略で一定の顧客も獲得することができるようになります。どのような商品に注目が集まっているのかの情報を収集して利益を生み出すことができれば、情報の獲得がビジネスチャンスにつながります。
Instagramでは個人も法人もアカウント開設のやり方は同じですので、まず個人アカウントを開設します。インスタグラムのアプリをダウンロードし、電話番号もしくはメールアドレスで登録し、名前とパスワードを登録し、ユーザーネームの設定を行います。アカウントの開設が完了したら、アカウントのプロフィールページを設定します。
次に、アカウントページを開いて右上のメニューボタンをタップして設定画面に進み、アカウントをタップして「プロアカウントに切り替える」を選択します。クリエイターもしくはビジネスのアカウントタイプを選択し案内に沿って進み、一通りの流れが終わればビジネスアカウント(プロフィール)への切り替えが完了します。
引用元: https://assets.012cloud.jp/finder/8sJ85Xn0pRkYsRjzRNR45GC0uFpBCZyMsFjI1RgA.png
ビジネスアカウント以外にも、ツイッターやフェイスブック等のSNSアカウントを持っていれば、相互に連携することもできます。相互に連携すれば、それぞれのSNSからユーザーを集めることもできるようになります。Instagramでは、自分の投稿に対するコメントを拒否するなどで制限したり、二段階認証でセキュリティを強化することもできます。
すべてのInstagramビジネスアカウントは、2021年8月16日からInstagram Messenging APIに接続することができるようになりました。Messenger APIの展開は2021年6月に開始され、3つのフェーズで行われました。
フェーズ1(2021年6月)。フォロワー数が10K以上100K未満のInstagramアカウントがInstagram Messenging APIに接続できるようになりました。
フェーズ2(2021年7月)。フォロワー数が1K以上100K未満のInstagramアカウントが、Instagram Messenging APIへのアクセスを許可されました。
フェーズ3(2021年8月 -- 現在)。すべてのInstagramビジネスアカウントがInstagram Messenging APIに接続できるようになりました。
開発者は、Instagram Messenging APIを使い始めるために、Facebookのドキュメントに従うことをお勧めします。Instagramプラットフォームの主要な機能を紹介する、Instagramのサンプル体験をチェックするのが良い出発点です。
Facebookは、このアプリのオープンソースコードをGitHubで共有し、エクスペリエンスをローカル環境またはリモートサーバーに配置する方法に関するガイドも提供しています。
企業は、Hubtypeのような必要な専門知識を持つ認定ビジネスソリューションプロバイダーと連携して、Instagram Messenging APIを使用することもできます。
InstagramのAPIは審査制で、利用の目的や利用するサービスなどについて、Facebook社に説明し許可された企業だけが利用できます。Instagram APIの利用資格を得るには、FacebookページとリンクしているInstagramビジネスアカウントを持っていることや、Metaの規約を承認しMetaの技術文書規格を遵守することなどが必要です。
まず、Facebook開発者アカウント登録のため、Facebookのアカウントを作成する必要があります。次に、Facebookの開発者ページにアクセスし、Facebookのアカウントにログインし、「スタートガイド」をクリックして必要事項を記入すれば登録が完了します。
アプリを作成したらFacebook開発者ページにアクセスし、開発者アカウントでログインして、「マイアプリ」をクリックし、アプリタイプを設定します。アプリの表示名とアプリの連絡先メールアドレスを入力し、「アプリIDを作成」をクリックし、製品追加画面が出たら、利用APIの「設定」を選択し「ベーシック」項目を入力します。
Instagram Messaging APIの活用は、ビジネスやマーケティングの効率化に貢献します。APIは、InstagramのDMを含む顧客対応を一元管理し、AIを活用したチャットボットによりカスタマーサポートの負担軽減やセールス機会の損出の削減も可能です。また、ビジネスアカウントを利用すれば、投稿データやユーザーの分析が可能です。
利用にはFacebook開発者登録やMeta規約の承認が必要で、審査制を通過する必要があります。導入の際には、GitHubでのコード参考やプロバイダー連携が役立ちます。
この記事がInstagram Messaging APIの活用を検討中の方に参考になれば幸いです。
sikiapi(シキアピ)は、シナリオ型のチャットボットを活用し、対話型マーケティングで企業のInstagram・LINE公式アカウント運用を支援するツールです。
セグメント配信、シナリオ配信、自動応答機能などで顧客一人ひとりにカテゴライズされたマーケティングが可能となります。AIのようにその場で会話を考えていく機能はありませんが、シナリオ型のチャットボットのメリットを最大限に活かしているため、質の高いサービスを顧客一人ひとりにカスタマイズして届けることができます。
また、sikiapiはシナリオ型チャットボットを作成する上で、プログラミングなどの特殊な技能は必要ありません。直感的な操作でチャットボットを作ることができることも大きな魅力の一つとなっています。
項目 | 内容 |
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サービス名 | sikiapi |
会社名 | 株式会社Enigol |
公式サイト | https://sikiapi.com/ |
株式会社リクルートホールディングスでWEBマーケティング業務および事業開発を経験し、アメリカの決済会社であるPayPalにて新規事業領域のStrategic Growth Managerを担当の後、株式会社Enigolを創業。対話型マーケティングによる顧客育成から売上げアップを実現するsikiapiを開発。